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クリエイターがネットで収入を得られる仕掛けとは--「アプリ★ゲット」運営者に聞く - (page 2)

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 こうしたクリエイターは自分からアプリを作りたくてしょうがないという人達のようです。それゆえ、契約を結んだ後も自主的にアプリを作ってくれていますね。

 実は、年収1000万円を超えるクリエイターは、(人気ゲーム「チャリ走」の作者である)星野裕太氏だけでなく、他にも数名存在します。ですが1000万円プレーヤーで十分ではないと考えています。3年後には400万前後の収入を得る人が500人、さらに1億円を稼ぐ人が最低1人出てくることが目標です。そのような状況になれば、クリエイターを目指す人もかなり増えてくるのではないでしょうか。モバイルのマーケット規模を考えれば、十分あり得ると思います。

 多くの収入を得るクリエイターが、ゲーム会社を立ち上げるというケースも見られます。ですが法人化すると運営コストがかさむようになるうえ、1000万円や1億円という額は企業の売り上げとして見ると決して大きなものではありません。その結果、売り上げを確保するため公式サイトの下請けになってしまい、作りたい物が作れなくなってしまうという場合もあるようです。インターネットで展開する以上は、1人でできる範囲で想像力を生かすのが一番面白い物が制作できるし、クリエイターも報われるのではないかと思っています。

――動画共有サービスやイラストサイトなど、個人クリエイターが作品を発表する場は増えていますが、そこで大きな収入を得られるケースはあまり多くありません。アプリ★ゲットがその仕組みを作ることができた理由はどのようなところにあるのでしょう。

 ある意味、真っ当なことをやっているからではないでしょうか。クリエイターや作品のファンを作り、そのファンがもっと遊びたいと思うからお金を払うのだと思います。とにかくPVだけを集めて広告に誘導するというだけでは難しいと思います。

――2008年8月からは、漫画を対象とした「マンガ★ゲット」というサービスも始めました。なぜ、新たなターゲットに漫画を選んだのですか。

マンガ★ゲット 2008年8月19日に正式オープンした「マンガ★ゲット」。投稿された漫画は4000本を超え、会員は15万人に達しているという

 マンガ★ゲットを始めたのは、高収入を得ているあるアプリクリエイターからの話がきっかけでした。彼の兄弟がプロの漫画家であるにもかかわらず、彼よりもはるかに収入が少なく、しんどい生活を送っているというのです。

 プロとして名前も知られている人であれば、もっと儲かっていいはずなのではないか、ネットがあれば、漫画家個人がもっと活躍できる場が実現できるのではないか……と考えました。

 漫画を描いている人の多くは、元々多くの人に自分の漫画を見てもらいたくて描いていたと思います。また、収入を得るためには、多くの人に見てもらうことが重要だと思います。

 しかし、アマチュアがこうした活動をする場合、個人サイトに公開するという手はありますが、積極的に閲覧してくれるユーザーの数は限られます。また、普段から見に来てくれる人が好むものを描かないと見てもらえないでしょう。同人誌を作ってコミックマーケット(コミケ)などで発表するという方法もありますが、やはり同じ趣味趣向の人が集まるため、読者の広がりを持たせることは難しい。こうした現状を打開するための手段として作り上げたのがマンガ★ゲットです。

 現在(2008年12月時点)で会員数は約15万人、投稿されている漫画は4000本あります。開始して日が浅いこともあり、最も収入を得ている人でも月額10万円以下という状態ですが、今後はアプリ★ゲット同様、専属で活躍する人が増え、数年後には1億円プレーヤーが出てくるようになればと考えています。

――マンガ★ゲットではソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のような仕組みを入れていますね。

 大きく2つの理由があります。1つは、雑誌に似たビジネスモデルを作りたいということです。コミック誌はそれ自体で大きな売り上げを立てるのではなく、雑誌でファンを作り、単行本の販売で収益を上げています。ですが従来のモバイル向けコミックサイトは、単行本を多く揃えて販売するというモデルが中心で、メディアミックスの中の1つの存在でしかありません。そこで携帯電話でも、マンガ★ゲットのように広く発表してファンを作っていく場と、コミックサイトのような収益化していく場の両方を作り上げることで、雑誌から単行本へと自社の中でユーザーが回遊するような仕組みを作り上げたかったのです。

 もう1つは、ファンビジネスを強化したいということです。例えば、マンガ★ゲット内では「国際ケータイマンガアワード」というコンテストを開催しています。ここで賞を取った漫画家とアバターを連動させ、その漫画家のファンがアバターアイテムを利用することで収益を上げる。このように、色々なものを繋げることでファンを広げながら、トータルで収益を生むような手法は、会員制の方が展開しやすいといえるでしょう。

 これにはアプリ★ゲットでの反省もあります。アプリ★ゲットではこれまで会員制を採用していませんでしたが、ユーザーは見たことも聞いたこともないゲームを遊んではくれません。個人が作った作品をユーザーに広めるには、サイト内のランキングだけでは役不足で、口コミで広げることが重要だとわかったのです。この口コミをサイト内で起こし、クリエイターの作品を広めるには、ユーザー同士がコミュニケーションをとることができるSNSの形式が適していると考えました。

――他社のSNSを意識した部分はありますか。

 マンガ★ゲットはあくまでクリエイターありきであり、コミュニティサイトを作ろうと思っているわけではありません。当初はアバターを用意するつもりもなかったのですが、議論の結果、コミュニティ要素を持つ上でアバターは必要だろうということになりました。アバターアイテムの販売で収益を得ている企業もありますので、クリエイター還元の原資を作るための手段の1つとして導入を決めました。

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