続いて、Eコマースの利用頻度を可処分所得別にみると、PCによるインターネット利用では可処分所得が高いほどヘビーユーザーが多く、モバイルに関してはその逆で、可処分所得が低いほどヘビーユーザーが多い傾向にあることがわかった。
PCに関しては、「1万円以上〜3万円未満」が18.8%と飛びぬけてはいるものの、「1万円未満」が8.1%、「3万円以上〜5万円未満」が8.9%、「5万円以上〜10万円未満」が15.8%、そして「10万円以上」が22.7%と、可処分所得が高くになるにつれヘビーユーザーが増える傾向にある。
モバイルインターネットに関してはPCとは異なり、可処分所得とネット利用頻度の間には反比例の関係がある。もちろん可処分所得と年齢の関係を無視することはできないが、可処分所得とEコマース頻度の間にはある一定の相関関係が存在しているのではないだろうか。
また、Eコマースにおける平均金額を可処分所得別にみると、可処分所得が低い層においては「5000円未満」という回答が最も多く、可処分所得があがるにつれEコマースにおける平均金額も上がる傾向にあることがわかった。
最後に、インターネットを利用しているデバイスごとのEコマース利用頻度をみると、「パソコンのみ」からインターネットを利用しているユーザーよりも、「パソコンと携帯電話の両方」からインターネットを利用しているユーザーの方が利用頻度が高いことがわかった。
前者に関してはヘビーユーザーの割合は8.7%なのに対し、後者は20.2%と2倍以上にも多くなっている。この違いについてはユーザーのネットリテラシーが大きく影響しているのではないかと考えられる。つまり、PCとモバイルの両方からインターネットをするようなユーザーは“ネットリテラシー”も高く、その結果としてEコマースをする頻度も高いのではないだろうか。(卵が先かニワトリが先かという問題はあるが)
「若年層はモバイル」といった形で、年齢や属性などからメディアに対する先入観を持ってしまうことがある。もちろん、年代ごとの“傾向”というものは確かに存在する。ただし、今回の調査データにもあるように意外なところに共通点があったり、予想を裏切るような新事実が潜んでいたりすることがある。
そして、何より新しい事実が見つかれば(たとえそれが仮説であったとしても)、新たなことにチャレンジすることが出来る。調べることの意味は、確率を高める、効果を検証すると同じくらい「チャレンジの糸口を見つける」ことにあるのかもしれない。
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本調査はモバイルインターネットリサーチを使ったものです。あくまでも指標や参考データとしてご活用下さい。業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。より詳細な業界動向や、ターゲット層に合わせたリサーチにご興味をお持ちの方は、リサーチアウトソーシングサービスをご活用ください。
調査対象:20歳〜49歳のモバイルユーザー350人
調査期間:2008年11月28日〜2008年12月1日
調査方法:モバイルリサーチ
調査機関:ネットエイジア
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