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ソニーのストリンガーCEOがCESで語った家電業界の危機脱出策

文:Erica Ogg(CNET News.com) 翻訳校正:緒方亮、中村智恵子、福岡洋一2009年01月09日 12時18分
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UPDATE ラスベガス発--精緻に組み上げられたこの幻想の都市にいかにもふさわしく、ステージに登場したナイトは、いかにしてプリンセスを救い出すかを語った。

 ナイトとはソニー最高経営責任者(CEO)のHoward Stringer氏(英国女王からナイトの称号を授けられている)、プリンセスとは家電業界のことだ。Stringer氏によると、現在われわれに襲いかかっている景気後退という怪物を倒すには、ネットワーク化によるエンターテインメントとテクノロジの融合が重要なカギの1つになるという。

 Stringer氏は、ラスベガスで開幕した2009 Consumer Electronic Show(CES)初日の基調講演において、有機発光ダイオード(OLED)テレビ、Blu-rayプレーヤー、「PLAYSTATION 3」(PS3)などさまざまなソニー製品を売り込む一方、顧客の経験を創造するのに不可欠という基本原則について説明した。この原則に従えば家電業界は持ちこたえられる、と同氏は言う。家電業界は過去7年で初めてマイナス成長になるとみられている。

 Stringer氏は米国時間1月8日、ベネチアンホテルのダンスホールに詰めかけた聴衆に向かって、「約束してもいい、家電業界は最終的には勝利する」と語った。「なぜなら、誰もがまだ革新を続けているからだ」

 Stringer氏のいう基本原則、つまり「7つの緊急課題」はかなり広範囲に及ぶ。IT、家電、エンターテインメントの融合に取り組むこと。カスタマーサービスによって付加価値を高めること。単一機能でなく、多くのことをこなす製品を作ること。オープンな技術をサポートすること。ソーシャルネットワーキングとユーザー生成コンテンツを受け入れること。いろいろな製品が相互に価値を高め合うようにすること。環境に配慮すること。

 明らかにこれらの基本原則は業界の他社にのみ向けられたものではなく、Stringer氏が率いるソニーに向けて新たな目標を宣言するという意図が含まれている。目標として掲げられた項目のうち、オープンな技術とか、他社メーカーの製品と相互に価値を高め合うようにするとかいうのは、これまでソニーが業界内で積極的に推進してきたことではない。しかしStringer氏は、「これを全体的なソニー体験にするつもりだ」と述べた。

 Stringer氏はそれを証明すべく、有名人や業界リーダーを次々とステージ上に呼び入れ、映画、音楽、テレビ、ゲーム、スポーツに及ぶ、ソニーのリーチの広さを示した。もちろん、テクノロジも忘れてはおらず、ソニーの研究開発部門が取り組んでいる新製品がいくつも紹介された。

 まず登場したのは俳優のTom Hanks氏だった。ソニーの新作映画「天使と悪魔」に主演する同氏は、いかにソニー製品を好んでいるかを語るようにと同社が用意していた台本を茶化し、会場の人気をさらった。「嘘が書いてあるんだ。私は真実を話す」とHanks氏がジョークを言うと、聴衆から大きな笑いが起きた。

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