カリフォルニア州カールズバッド発--ソニーの最高経営責任者(CEO)であるHoward Stringer氏は、ソニーに収益志向の文化が戻ったと述べた。しかし、まだやるべき仕事があるとも述べている。
Wall Street JournalのWalt Mossberg氏は、テクノロジとメディアに関する「D6」カンファレンスでのStringer氏とのインタビューで、まず、ソニーのデジタル音楽プレーヤーと双方向テレビ事業の失敗について指摘した。Stringer氏は、ソニーは現在5%の利益率で事業を運営していると述べた。会社を持続させるには、これらの利益率をもっと大きくする必要がある。Stringer氏の言葉を借りれば「もっと多くの成功が得られなければ、われわれは倒産してしまう」
Stringer氏は、自分が経営しているソニーの文化について語り、すぐに適応するのは難しいと述べた。例えば、ホワイトカラー労働者やエンジニアのレイオフは実施されない。それゆえStringer氏は先週「怒りをぶちまけた」のかもしれない。Stringer氏はまた、有機ELディスプレイ(OLED)テレビからゲームコンソール機、「クラプレット」(がらくたアプリケーション)に至るまで、ソニーの将来について掘り下げた発言をした。
液晶ディスプレイの成長は期待以上だが、OLEDテクノロジは(いまだに非常に高価であるが)、その後に来るべき技術だとStringer氏は述べた。または2500ドル出す気があれば、11インチの画面なら今すぐにでも買える。コントラスト比は100万対1であり、LCD画面よりも100倍明るいとStringer氏は言う。
Stringer氏はD6カンファレンスでショーマンシップを発揮し、薄さがわずか0.3mmの新しいバージョンのスクリーンを披露した。このスクリーンは曲げることができ「腕に巻く」こともできるとStringer氏は述べた。27インチのバージョンが間もなくリリースされる。「非常に高価な製品になる。買えるのはこの部屋にいるような人に限られるだろう」(Stringer氏)
有機ELテクノロジは最終的にはLCDに取って代わるとStringer氏は考えているが、現時点でLCDを「テレビの理想的な伴侶」と呼んでいる。
ソニーが有機ELを推進している理由は、他のベンダーから調達しているソニーブランドの他のLCDとは異なり、有機ELパネルを自社で生産していることもあるように思われる。
「PLAYSTATION 3(PS3)」はその高い価格のために最初は「少々悲惨」な収益性のカーブを描くことになったが、価格は下がっており、複数のゲームタイトルによって利益も生まれているとStringer氏は言う。同氏によれば次のゲームは2008年6月にリリースされる予定であり、PS3の「機能をフル活用した」、「鮮烈な」ものになるだろうとのことだ。
PS3は単なるゲーム以上のプラットフォームになりつつある。例えば、「PSP」のハブである。また、「PLAYSTATION Network」はソニーがBlu-ray/HD-DVDの規格戦争で勝利する鍵となった。なぜならPS3は優れた映画再生プラットフォームだったからだとStringer氏は述べる。
通常のBlu-rayプレーヤーでは、ソニーはHD-DVDプレーヤー市場を追い落とさなければならず、99ドルの小売価格のために損失を出した。しかし、映画制作会社はBlu-rayフォーマットを支持し、それによって展開がさらに大きく変わった。
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