この技術についてモルフォ代表取締役社長の平賀督基氏は「やはりiPhoneは意識した」と語る。iPhoneは入力がタッチスクリーンのみであり、画像は端末本体で撮影するかPCで本体に転送する。言ってみれば非常に機能を制限したシンプルな端末だ。しかしインターフェースの見せ方でユーザーの携帯電話に対する感覚を大きく変えた。
平賀氏は「ニューロポインタやボタンといった複数の入力インターフェース、microSDカードなど外部記憶媒体を持つ(iPhoneと比較して)複雑な日本の携帯電話でも、技術的に同じことができると証明したかった」という。そこで同社では2008年2月頃から開発を開始。メーカーとのニーズが合致したこともあり、異例のスピードで製品への導入が決まったという。
また、同社はドコモ向け端末に向けて、画像認識技術「ImageScouter」を提供している。
このImageScouterのコンセプトは「高速かつざっくり認識する」というもの。一般的に画像認識といえば、顔認識のように画像の中から特定のパターンを抽出し、さらに詳細を分析するといったものを想像する。
しかしImageScouterでは、画像の中に2次元バーコードや名刺などの要素があるかどうかを高速で認識する。2次元バーコードの内容など、認識した要素の詳細についてはImageScouterのエンジン上で処理するのではなく、外部のアプリケーションやサービスと連携して処理を行う。
これは元々ドコモと共同研究していた高速撮影時の物体認識技術を応用したものだという。モルフォ開発推進局室長の冨森健史氏は漫画「ドラゴンボール」を例に挙げて「人物を認識すると戦闘力を表示する『スカウター』というものが登場する。あれと同じように、あるものをカメラで認識すると、それに対して最適なアプリケーションを連携させていきたい」と語る。
これまで手ぶれ補正技術で名をはせてきたモルフォだが、「今後は画像処理のエンジン部分を開発だけでなく、アプリケーションやネットワーク、サービスといった上位レイヤーの開発も行っていく」(平賀氏)としている。
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