複数の環境をまとめて最強のビジネスマシンを作る--ビジネスで使うMacレビュー - (page 3)

【全般のセキュリティ】

 仮想化を行った場合、各OSはイメージファイルという1ファイルで作成されます。このファイルをコピーすると他PCでも使用できるため、保存場所には注意が必要です。OSXでは標準でユーザーディレクトリを暗号化する「fileVault」という仕組みがあります。

 しかし起動時に入力するパスワードを破られてしまったら何にもなりません。Windowsのようにログインパスワードを簡単に破れてしまう可能性は否めないので「fileVault」を使用するだけでなく、より強固にする必要があります。

 そこでまずTrueCryptというWindows、Linuxで使っていた暗号化フリーソフトのMac版を使用することにしました。このソフトはファイルもしくはドライブを暗号化して仮想ドライブとしてマウントすることができます。さらに優れているのが単純なパスワードだけでなく自分で設定したキーファイルを設定できることです。画像ファイルでもExcelファイルでも好きな物をキーファイルとして設定しておけば、パスワードを破られてもマウントすることはできません。

 今回は「Macintosh HD」以外に暗号化ドライブを作成し、その中にWindows等の仮想イメージや重要書類を配置することにしました。

 Macではパーティションマップ方式にGUIDを採用しているため、起動した状態のままでシステムボリュームをリサイズすることができます。これは大変便利です。今回は80GバイトをMacintosh HD、残りを暗号化ドライブとして設定しました。

パーティションのリサイズ パーティションのリサイズ(※画像をクリックすると拡大します)

 ログインパスワードが破られた場合に見られてはならないものとして、各種ファイル以外にも以下のようなものがあります。
ブラウザの履歴、パスワード
メール設定、データ

 それらの安全な保存について、検討していきます。

【ブラウザ】

 Macの標準ブラウザは「safari」です。環境設定を確認したところ、履歴からの削除が最小で1日後となっています。できればソフト終了時に削除したいものです。またサイトログイン情報がブラウザを閉じても引き継がれてしまいます。IEやFirefoxのような保存の警告は出ませんでした。すべてのcookieをはじく設定にすると見れないサイトが多数あったため、こちらも微妙です。

 ということで想定できる問題を解消できるものとして、Windowsでも使用しているFirefoxを使用することにしました。

 セキュリティ面での問題は解消できましたが、safariで大変便利だったタッチパッド上で2本指操作でスライド、3本指で戻る、進むという機能が使えなくなってしまいました……。アプリケーションごとに動作を割り当てる「multipad」というフリーウェアもありましたが、色々調べてみるとFirefoxのβ版では標準でこの動作に対応しているという記事を発見し、こちらで試すことにしました。

 こちらでブラウザは決定です。

【メーラー】

 こちらはもっとややこしいことになりました。Mac標準は「Mail」というメーラーですが、メールデータの保存先が変更できませんでした。起動の度にパスワードを入れるのは当然ですが、見えてしまう場所に保存されているのはちょっと困ってしまいます。

 そこでこちらもMozillaになりますが、「Thunderbird」を使用することにしました。アプリケーション自体を暗号化ドライブ内にインストールし、TrueCryptでマウントしない限り起動できないようにして、更にデータも暗号化ドライブ内に設定するようにする予定です。

 これでようやくどういう環境で構築するかが決定しました。

 次回、実際に仕事としての利用を開始し、レポートを行いたいと思います。

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