日本の前に中国で経験を積む:InfoWatchのCEOがDLP市場を語る

 ロシアのDLPベンダーであるInfoWatchは、Kaspersky Labの関連会社であり、Kaspersky Labのエンジニアがスピンアウトして設立した企業だ。

 Kaspersky Labはアンチウイルスソフトなど、インターネットに代表される外部からやってくる脅威からPCや情報を保護する製品に注力している。しかし、InfoWatchは「企業の内部脅威に対応する製品も必要ではないのか」と考えたKaspersky Labの一部のエンジニアがソフトウェアを試作。これが同社の出発点となった。

 現在、InfoWatchは内部脅威から機密情報を保護するDLP(Data Leakage Protection:情報漏えい対策)ソリューションベンダーとして、ロシアではリーダーの地位にある。モスクワで開催されたKaspersky International Press Tourの会場で、InfoWatchのCEOであるNatalya Kaspersky氏に、DLP市場の現状と日本市場への参入計画について聞いた。

Kaspersky Labの共同創業者で現在は取締役会の会長も務めている、InfoWatchのCEO、Natalya Kaspersky氏 Kaspersky Labの共同創業者で現在は取締役会の会長も務めている、InfoWatchのCEO、Natalya Kaspersky氏

――DLP市場は今どういう状況か?

 DLP市場はまだ始まったばかりの初期段階で、まだまだ発展途上というところです。DLPソリューションベンダーには、誰もが認めるような明確なリーダーは存在していません。

 いくつかの国では、DLPソリューションの導入がまだ難しいと感じています。たとえばフランスでは、市場においてDLP自体の認知が極めて低く、だれもまだDLPについて語り始めていないような状況です。

 実は、DLPソリューションベンダーの間でも「DLPとは何か」という点で一致した見解はないのが実情で、それぞれのベンダーがそれぞれにとって都合のよい定義を採っているような段階なのです。ドイツは比較的、DLPの受け入れが早い国だと言えますが、それでもユーザー企業数としてはごくわずかといえる数しかありません。

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