アンチウイルス技術で知られるセキュリティベンダのKaspersky Labは、12月3日〜7日にかけて、本拠を置くモスクワで「International Press Tour」と銘打った説明会を開催している。
実質的な初日となる4日は「Business Day」とされ、CEOのEugene Kaspersky氏、COOのEugene Buyakin氏、R&D担当副社長のNikolay Grebennikov氏らによるプレゼンテーションが行なわれた。
今回のInternational Press Tourでは、全体を貫くテーマとして「New Dimensions」が掲げられており、4日の講演では「サイバークライムの新次元」「Kaspersky Labの新次元」「テクノロジーの新次元」といったかたちで、それぞれの分野での最新動向を紹介する、といった趣向が展開された。
最初に登壇したCEOのEugene Kaspersky氏は、オンライン犯罪やサイバークライムと、防御するセキュリティソフトウェアの技術競争の現状を「軍拡競争(Arms Race)」に例えた。
同氏は、Wikipediaでの「Arms Race」の定義を紹介しながら、「技術的な競争がエスカレートしていく」「膨大な資金が投入されるが、両陣営の力関係は軍拡競争以前の状態と変化がない」といった軍拡競争の特徴が、サイバークライムとセキュリティソフトウェアとの関係にも当てはまっていると指摘する。
同氏は、「オンライン犯罪者はより一層の技術開発に注力している」と指摘しているが、それに対抗するためにKaspersky Labはどのような手を打っているのだろうか。
「大手のセキュリティベンダにはマーケティング活動により高い比重を置いているように見えるところもあるが、Kaspersky Labではより多くの投資を技術開発の分野に投じていく」
同氏はまた、既存の大手セキュリティベンダ3社(Big 3)が、最近のサイバークライムの技術的な進化に対応することに困難を感じるようになってきていることを指摘し、「セキュリティ業界はパニックに陥っている」と語る。その一方で「Kaspersky Labはユーザーを保護するために『新しい技術、新しいアプローチ』を導入する」と語り、同社の技術開発力に対する自信と競合他社に対する優位性をアピールした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」