市場からの吸収金額が少ないと、多くない買い注文でも値段を飛ばしやすく、需給的な妙味が膨らむ。加えて、市場関係者は株主構成にも注目している。
paperboy&co.は、発行済株式の57.79%を親会社であるGMOインターネットが保有し、社長である家入一真氏が38.4%を保有する。上位2位株主が全株式の96%以上を保有し、残りも従業員が占める。ベンチャーキャピタルの保有株がゼロであり、公開株式以外の売り注文が出にくい点も、需給妙味を膨らませている。
もうひとつの注目ポイントは、スケジュール面だ。例年、ブックビルディング(需要積み上げ期間)などにお正月休みが入ることを嫌い、1月は新規上場銘柄がない。株券電子化を控える来年はその空白期間が例年より長くなる見込みだ。2008年最後の株式公開銘柄であるpaperboy&co.の後、2カ月も空白期間が開く可能性があり、新規公開銘柄への希少価値が高まっているのだ。
もともと、インターネット関連銘柄は初値買い人気を集めやすい傾向がある。今年はネット株でも公開価格を割り込むケースが見られた。低迷した2008年のIPOマーケットを締めくくるpaperboy&co.が好発進すれば、2009年に向けた期待も高まっていきそうだ。
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