Googleは、iPhone向けアプリケーションである「Google Mobile App」の最新版を開発する際に、AppleのiPhoneソフトウェア開発キット(SDK)が定める公式規則に抵触していたことを認めた。
Googleの広報担当は米国時間11月25日、Google Mobile Appが音声検索に必要となるiPhoneの近接センサを利用するために(サードパーティー使用を)認可されていないAPIを使用していることを認めた。iPhone向けアプリケーションを開発する場合、開発者は利用許諾契約の下、AppleがSDKで開示しているAPIだけを使用することになっている。
Googleは一方で、Google Mobile Appにおいてプライベートまたは動的なフレームワークにリンクする、というより重大な違反については否定した。これは、開発コミュニティーで厳禁とされている。
認可されていないAPIの使用には、Appleが将来ソフトウェアを変更した場合、アプリケーションコードが動かなくなるというリスクがあるが、Googleの音声検索駆動など先進的な機能を実現するためにこのリスクを冒す開発者は多いようだ。
しかし、SDKの使用条件では、そうした技法を使ったアプリケーションはApp Storeに出せないとされている。このため、SDKの規則を遵守している開発者であれば、近接センサを利用したGoogleの音声駆動のようなアプリケーションを開発可能だとは思わないだろう。だが、App Storeとトラブルになったらすぐに書き直せるだけの余力のある開発者であれば、もう少し積極的にAppleの限界を試すこともできるかもしれない。
AppleのApp Storeにおけるアプリケーション承認プロセスが一様ではない状況から、App Storeに押し寄せるアプリケーションに対応するAppleの能力が限界点に達してしまったどうかという疑問が浮かび上がっている。Google Mobile Appの承認の際、Googleが未認可のAPIを使用していることをAppleが知っていたのか、あるいは単に見落としてしまっただけなのかは明らかになっていない。
AppleがSDKの使用条件の徹底を決定した場合、Googleは、Google Mobile Appのコードを書き直すか、近接センサの使い方を変えることを求められるかもしれない。今週は多くのApple関係者が休暇を取っているようで、すぐにコメントを得ることはできなさそうである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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