Hewlett-Packard(HP)は米国時間11月24日、2008会計年度第4四半期(8-10月期)決算を発表した。同期の売上高は、前年同期比19%増(為替の影響を除くと16%増)の336億ドルだった。
また利益は、21億ドル(1株当たり84セント)で、前年の22億ドルからやや減少したが、1株当たり利益では前年の81セントから増加した。
HPは先週、同四半期の暫定決算を発表。同社の好業績は、PC業界では数少ない明るい材料だ。同業界は今後、ハイテク業界低迷の影響をまともに受けると見られている。
HPの最高経営責任者(CEO)であるMark Hurd氏は、24日に行われた記者との電話会議の中で、同社には(現在の)世界的経済危機を乗り切る力があると確信している、と語った。
「(HPは)今後シェアや利益を拡大し、より一層強い立場で、現在の(厳しい)環境を乗り切る」(Hurd氏)
しかし、同氏は「マクロ経済環境は今後も厳しい状況が続く」と話している。
ライバル企業のDellは先週、減益を発表した。しかし、Dellとは異なり、HPは常にコスト削減策を模索しつつも、レイオフによるコスト削減を行う可能性は低いという。
「われわれは、1人の人員も削減することなく、この難局を乗り切る」とHurd氏は語る。また同氏は、現在の経済環境は厳しいものの、同社は現在手掛けるすべての事業において今の市場シェアを維持すると語った。
HPの主力のPC事業の売り上げは、前年同期比10%増の112億ドルで、出荷台数も19%増加した。特にノートPCの売り上げが同21%増と好調で、同社のPC事業全体の好業績に大きく寄与した。それに対し、デスクトップPCの売り上げは2%減少した。
Hurd氏によると、PC業界の今後の見通しは依然として厳しく、同社もそれに備えているという。しかし、同氏は、今後しばらくは「極端な」価格変動はない、との見方を示した。
また同四半期のプリンタ事業の売り上げは1%減少した。この理由についてHurd氏は、HPの最大の顧客企業数社が新型機の購入を延期しているため、と説明した。
Hurd氏は、「消費者は、既存の製品をより長期間使用し続けている。われわれはそれでも構わない」とした上で、「ただ、プリンタサプライの売り上げは好調(前年同期比9%増)だ(中略)人々はまだ印刷し続けている」と付け加えた。
またHPは、同四半期中に買収したITサービス大手Electronic Data Systems(EDS)の統合を完了した。それに伴い、HP Servicesの売り上げは99%増加し、86億ドルに達した。そのうちの39億ドルは、買収が完了した8月26日から第4四半期の最終日の期間中でEDS買収から発生したものである。EDSを除いたHP Servicesの売り上げは10%増だった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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