グーグルのシュミットCEO、技術革新の促進とインフラ強化の必要性を訴える

文:Stephanie Condon(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2008年11月19日 15時47分

 ワシントン発--Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は米国時間11月17日に講演を行った。同氏は講演の中で、米国の政府指導者らは、低迷する米国経済に対し、救済金を支出するだけでは足りないと指摘し、さらに、彼らは救済プログラムをインフラへの投資や、永続的な諸問題に対するより革新的な解決策を模索する機会として利用する必要があると語った。

 Schmidt氏は17日、新アメリカ財団(NAF)の理事会長として、ワシントンで学者や公務員など、大勢の聴衆を前に講演を行った。同氏はそこで、米政府が技術革新と長期的経済成長を可能にするための数多くの方法を挙げた。

 Schmidt氏は、次期米大統領であるBarack Obama氏の最高技術責任者(CTO)への就任には興味はないとしているが、17日の講演では、新たなエネルギー源の必要性や移民改革などの問題に対する技術的解決策だけでなく、政策に基づく解決策も示した。

 Obama氏がYouTubeを利用していることからも分かるように、Googleはすでに米政府の日常業務に影響を与えている。また、Schmidt氏が17日に強い意見を述べたということは、Googleが次の政権の政治理念にも強い影響力を及ぼす可能性があることを示唆している。

 Schmidt氏は、「今は、われわれの大半が人生で直面する最も厳しい経済状況かもしれない」としながらも、しかし同時にチャンスを見出す時でもある、と付け加えた。

 また同氏は「単なる救済プログラムの実施はやめにしよう」と述べた上で、「景気刺激用の資金をインフラ整備に利用したらどうか」と問いかけた。

 Schmidt氏は、物理的インフラとそれ以外のインフラの両方に対する投資の必要性を強調。同氏は、技術革新を目的としたスマートグリッド(配電網)の開発着手やブロードバンドプロバイダー間の競争促進を提案した。

 同氏は、「刺激策の正しいバランスを模索する必要がある」とし、さらに「われわれは、自由市場的アプローチの最も極端な例を体験し、その結末の一部を目撃した」と語った。

 また同氏は、それらの刺激策の一環として、州の公共事業に対してエネルギー効率プログラム向けのマッチングファンドを提供することも可能だ、と語った。また、排出基準を満たしている自動車メーカーに資金を提供することも考えられる。

 また政府のシステムも、インターネットのオープン性を見習うことにより、恩恵を享受できるとSchmidt氏は語る。

 「オープンなシステムを作ることにより、技術革新と選択肢の拡大が明確に約束される」(Schmidt氏)

 Schmidt氏は、米連邦通信委員会(FCC)が、未使用のテレビ周波数帯を開放し、無免許でも利用可能にする決断を下したことについて、「画期的な勇気ある行為であり、称賛に値する」と語った。

 「技術革新がどこからやってくるのかは誰にも分からないが、オープンプラットフォームがあれば、技術革新を喜んで迎えることができる」(Schmidt氏)

 その点を考慮した上で、Schmidt氏は、「奇妙な名前の小規模な新興企業が次々と設立し、それらが資金援助を受けていく」ことが重要だと語った。

 Schmidt氏は、Obama氏が基礎研究への政府補助金の倍増を約束したことを称賛した。Schmidt氏は、基礎研究を「米国の競争力の中核的要素」と位置付けるが、政府からの補助金に依存しているのが現状だ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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