VIERAケータイが300万台突破、パナソニックのシェア上昇の原動力に

 パナソニック モバイルコミュニケーションズは11月12日、記者向けに秋冬商戦向け携帯電話端末の説明会を開催した。

 秋冬モデルのすべての商品企画を担当したパナソニック モバイルコミュニケーションズ商品企画担当 取締役の石井圭介氏がまず、同社が提供しているVIERAケータイの1年の成果を説明した。2007年11月に発売を開始したVIERAケータイは、2008年8月26日に総出荷台数300万台を超えたという。

 当初、同社が提供する携帯電話端末の2割程度、台数では200万台弱を目指してVIERAケータイは発売された。それが実際は、予定を上回り3割を超えるまでに拡大している。同社のシェアもVIERAケータイ発売以降、確実に伸びているという。

 「現在、(シェアは)17%を超え18%に迫る勢い。携帯電話業界は、出荷台数が上期で前年を2割以上下回っている状況だが、VIERAケータイの貢献もあり、当社は台数ベースでは微減、金額ベースでは前年を上回っている」(石井氏)。VIERAケータイの伸びにより、年間の平均単価が上がっているといい、「利益率も計画を超える段階にきている」(石井氏)とのこと。

viera_share.jpg VIERAケータイ発売以降、パナソニック モバイルのシェアは順調に伸びている
P-01A 2WAYキーが特徴のフラッグシップモデル「P-01A」
P-02A 顔の形にフィットするスライドタイプ「P-02A」

 2008年秋冬モデルでも、VIERAケータイは中心的な存在だ。NTTドコモ向けの「P-01A」は、高画質ワンセグとカメラ、2WAYキーを搭載したハイエンドモデル。「P-02A」はスライダータイプで形状から使いやすさにこだわったという。「P-03A」は、Wオープンスタイルで厚みを15mm以下に抑えた。

 このほか、ドコモ向けには10mm以下の厚みにこだわった「P-04A」「P-05A」、au向けにはコスメティックコンシャスというコンセプトで厚み12.9mmの「W62P」、ソフトバンクモバイル向けには10個のワンタッチボタンを持つ「830P」を用意した。今回の7機種と、上期の6機種を合わせた全13機種で「シェアトップを奪還できるようにまい進する」(石井氏)とした。

 さらにパナソニック モバイルは新市場への取り組みも検討していることも明らかにした。そのひとつが、パナソニックグループの持つAVC機器群との融合化だ。グループ内にはテレビ、デジタルカメラ、PC、カーナビなどがあり、これらの機器に携帯電話は近づくという。「テレビを取り込んだVIERAケータイでスタートした。さらに、ナビやPC、カメラに近づくことで、違う市場が生まれてくる。2010年以降の具現化を目指して検討を進めている」(石井氏)。また、インターネットを介して、これらの機器と連携することで、新たな市場の開拓も進めていくとした。

 海外展開については、すでにあるVIERAケータイをそのまま海外でも販売する方法と、新しいジャンルを切り開いく方法の2つが考えられるとした上で、後者を進めたいと話す。こちらも2010年以降の展開を検討しているとのこと。

 現在シェア首位であるシャープとの差をどう詰めていくのかという記者からの質問に対しては、「正直なところ2008年度中の逆転はない」(石井氏)とし、2009年度以降の課題とした。国内のメーカーの淘汰について問われると、日本では端末の平均単価が高いため販売台数だけでは何とも言えないとしながらも、数社に絞られる可能性があることを示唆。同社が必ず生き残れるとも限らないとし、そうならないように努力していくと話した。

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