ロサンゼルス発--Microsoftは米国時間10月27日、Microsoft社内のデータセンタからインターネットを通じて提供される「Windows Azure」を発表した。
Windows Azureは、各ユーザーのPCで動くOSの置き換えというよりは、開発者が企業のサーバではなく、Microsoftのデータセンタ内で稼動するプログラムを書くことのできる代替手段となる予定だ。
MicrosoftのチーフソフトウェアアーキテクトであるRay Ozzie氏は「Windows Azureが、われわれの提供するソフトウェアの新たな形式となり、われわれの戦略変更ともなる」と述べた。
Microsoftは、2005年にサンフランシスコで開催されたイベントにて、初めて「Live Services」へのシフトを概説した。その後、同社は小刻みに、「Live Mesh」を始めとする、いくつかの新サービスをリリースしてはきたものの、27日の発表で、Microsoftにとって異色のインターネット戦略が、どのような形を取るようになるのかという討論が、ついに明確なものとなってきた。
Windows Azureの発表は、Microsoftが当地で開催するProfessional Developer Conference(PDC)の幕開けを飾るものとなった。Microsoftは28日に、Windows Vistaの後継OSとして、2010年1月までにリリースが予定される「Windows 7」に関してさらなる詳細を明らかにする予定である。
Azureのリリースで、Microsoftは、オンラインストレージやコンピューティングサービスを提供する、Amazon、Salesforce.com、Rackspaceなどの他のプロバイダと競合する道を選ぶことになる。
Ozzie氏は、革新的なホスティングされたコンピューティングモデルを立ち上げた、Amazonの創設者となるJeff Bezos氏に敬意を表し、Amazonは「われわれが多くを学ばねばならない、基礎レベルの設計パターン、構築モデル、ビジネスモデルを確立した」と語っている。
Microsoftは、開発者向けに、Windows Azureのプレビュー版を製作しており、最終製品版のリリース前に、同製品で提供が計画される機能が、いくつか限られた形ではあるものの提供される予定である。
Microsoftが、どのようにAzureに課金していくのかについては、多くは明らかにされておらず、プレビュー期間中は無料提供されることのみが明示されている。最終的な価格設定に関して、Ozzie氏は「十分に市場と競合し得るレベルに定められる」と述べた。
Microsoftとしては、これまで同社の自社サーバのみで稼動してきたソフトウェアなどを、インターネットで稼動させられるオプションも、企業へ提供予定である。すでにMicrosoftは、企業向け電子メールソフトウェアの「Exchange」を、この手法で販売しており、これはまさに始まりに過ぎないということを、MicrosoftのバイスプレジデントであるDave Thompson氏が明らかにしている。
「われわれのエンタープライズソフトウェアは、すべてオプションで、オンラインサービスとして提供されることになる」と、Thompson氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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