韓国の東大門ファッション街などで厳選した商品を、韓国から日本へ配送するBtoB向けファッション卸サイト「Hi-kmall」がオープンした。12月31日までベータ版として運営される。
Hi-kmallは、韓国のソウル特別市(ソウル市)が主催し、ソウル産業通産振興院(ソウルファッションセンタ)が主管する卸サイトだ。ソウル市の観光名所として知られる東大門のショップから選ばれた38社が出店している。約150社の応募があったという。政府がバックアップし、韓国発のアパレル企業が海外への進出を図る。
東大門のファッション街は、原資材、副資材、デザイン、ショップと生産と販売に必要な施設が集中していることから、ワンストップで製作できるのが特徴だ。海外ファッションブランドとの差別化を図るため、ワンストップならではの強みを活かして納期の早さや少量生産ながらも多品種で競争力のある価格を武器に、独自のブランドを確立している。
配送は、EMSを使用し、在庫がある場合は3日、在庫がない場合は生産を含めて2週間程度だという。決済は、振込とカード決済に対応している。現状では安全性を保証するエスクローサービスはない。
なお、システムやショップの構築は、韓国で10万店舗以上の導入規模を誇るというコリアセンターが担当。韓国語から日本語への翻訳は、コリアセンターの自動翻訳システム「メイクトランス」を使用している。
コリアセンターは、日本のGMOメイクショップが提供するネットショップ構築ASP「MakeShop」の生みの親でもある。日本国内では、まずはGMOメイクショップを利用している1万5000のショップを対象に取引を開始している。
コリアセンター 日本T/Fチーム チームマネージャーのファン・スヌン氏は、「国内市場はある程度規模が見えていることから、海外にも目を向けようと思った」と今回の経緯を語る。しかし、「開始してみていろいろ課題も見えてきた」という。
独自ブランドとして、品質が高いものをセレクトしているため、日本の顧客から見ると思っていたよりも高いと思われることがあるという。「価格と品質のバランスがカギになる。しかし、店舗自体の規模が小さすぎるところは、財政的な不安もあるため難しい。また自動翻訳を使っていることから、怪しい印象を与えてしまうこともある」と打ち明ける。
それでも、同時に新たな一面も見えてきた。「実際に、韓国まで足を運んでくださるショップの方もいて、実際に現地のスタッフと会い、ショップを見て満足してくれた。この経験から、オンラインでもオフラインでも取引できるようにし、このサイトを核にして韓国と日本のショップの代理店としての機能を持つ道もある。海外バイヤーを大事にしたい」と語る。
ソウル市では、「2010年の世界デザイン首都(WDC)」に指定されたことから、「世界デザイン・オリンピック2008」を開催するなど、積極的にデザインに力をいれている。
ベータ版で見えてきた課題を克服し、来年以降に正式版を目指す。エスクローサービスの導入やGMOメイクショップ以外のアパレルショップにも広げていくなどし、総合ショッピングモールとして認知度を高めていくとしている。
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