「Apple TV」はこれまで何度もユーティリティを追加する目的でハッキングされてきた。この小さな筐体には、「Mac OS X」を実行できるかなり高性能なコンピュータが内蔵されている。問題は、高性能にもかかわらず、システムソフトウェアが「iTunes」と、ムービー、音楽、テレビ番組などを提供している「iTunes Store」に限定されていることだ。そのため、DVD、Blu-rayムービーを含む豊富なメディアを再生できるミニPCやゲーム機のようなデバイスと競うことができないでいる。
この問題を解決するため、Boxeeの創設者で最高経営責任者(CEO)のAvner Ronen氏は、自社のメディアセンターソフトウェアをApple TVで実行する方法を公開した。このシステムには、USBメモリを起動する特殊なプログラムを作成できるMac専用アプリケーションで、Scott Davilla氏が開発した「ATVUSB-Creator」を使用する必要がある。アプリケーションには、マウスを数回クリックするだけで、SSH、Mac対応の「Xbox Media Center」、およびBoxeeの派生アプリケーションをドライブにインストールできる簡単なツールが付属している。
Apple TVへのインストール後は、現在Macや、Linuxを実行しているPCで体験できるのと同じようにBoxeeを利用できるようになる。例えば、特別なトランスコーディングソフトウェアを使わずに、複数のソースからのウェブビデオや、DivX、Xvidでエンコードされたコンテンツをネットワークから再生できる。また、システムの動作の仕方を大きく変えることなく、Apple TVのインターフェースに戻すことも可能だ。
2カ月以内には、ソフトウェアが更新され、「Hulu」のビデオ再生にも対応する見通しだ。これにより、Boxeeを実行しているApple TVの所有者は、iTunes Storeからテレビ番組を購入しなくても、ノーカットの番組(広告入り)を視聴できるようになる。また、同社は最近更新されたNetflixのストリーミングサービス「Watch Now」への対応も目指している。
Boxeeは現在、プライベートベータ版で、MacとLinuxにのみ対応しているが、11月中にはPC版も登場し、2009年のConsumer Electronics Show(CES)に出展される予定だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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