ニワンゴが運営する動画コミュニケーションサービス「ニコニコ動画」が10月1日より、新バージョン「ニコニコ動画(秋)」に切り替わる。ゲームなどが楽しめる有料ポイントを導入するほか、動画投稿者が時報をセットできる「ユーザーニコ割」も導入する。
有料ポイント制「ニコニコポイント」は8月の時点で明らかにされていたもの。ニコニコ動画内で提供されるゲーム「ニコニコメダルゲーム(仮称)」や、仮想空間サービス「ai sp@ce」などで利用可能だ。
ニコニコポイントは1ポイント1円で、1000円、3000円、5000円単位で購入可能とのこと。決済はクレジットカード、WebMoney、NTTドコモの通信料金と同時に支払う「ドコモ携帯払い」の3つに対応する。ニコニコポイントを現金に換えることはできない。
ニコニコメダルゲームは、動画視聴中ユーザーがコメント欄に「@ゲーム」と入力すると画面の右側に表示される。ニコニコポイントを「ニコニコメダル」という仮想メダルに交換し、メダルを賭けて遊ぶ。ゲームの勝敗によってメダルの数は増減するといい、10月15日のサービス開始時点でレースゲーム「ぬこぬこダービー」やビンゴゲーム「BINGO BREAK」など4種類が提供される。なお、メダルをニコニコポイントに変換することはできないという。
動画を見ながらゲームをすることについて、ニワンゴ取締役の西村博之氏は「その動画が面白いかどうかというのが再生後すぐに分からない場合に、音だけ聞きながら別の作業をしていることがある。そういったときにゲームを楽しんで欲しい」と話している。
ai sp@ceでは仮想空間内に登場するキャラクターの衣装や装飾品、土地、イベントへの参加券などを購入する際にニコニコポイントを使う。
ニコニコポイントの売り上げ見通しについて西村氏は、「そんなに収益に貢献するとは思っていない」と話しており、収益源というよりもサイトを盛り上げるためのツールの1つという位置づけのようだ。
ユーザーニコ割は、ユーザーが「ニコ割」と呼ばれる広告を自分が投稿した動画に設定できるというもの。ニコ割とは、動画視聴画面の上に表示される544ピクセル×55ピクセルの広告バナーを、任意の時間に表示させる仕組みのこと。投稿者は自分の動画の再生時間において、好きなタイミングで自分の作った広告を表示できる。また、「午後3時」など決まった時刻に広告を設定し、時報のように使うことも可能だ。この広告は、ニワンゴが提供する無料動画作成ツール「ニコニコムービーメーカー」でのみ作成可能だ。ユーザーニコ割は10月1日より開始する。
なお、ユーザーニコ割の開始に合わせて、ニコニコムービーメーカーでswfファイルと呼ばれるアニメーションファイルを扱えるようになる。これまでは静止画のみに対応していた。
このほか、ニコニコ動画(秋)では動画視聴画面のデザインが変わり、再生ボタンを押さないと動画が再生されないようになった。動画が再生されるまでは「ニコスポ」と呼ばれる広告が動画右に表示される。ニコニコ動画の有料会員であれば、ページを開くだけで自動的に動画が再生されるように設定することも可能だ。
ニコニコ動画は12月4日にもバージョンアップする計画で、「ニコニコ動画(ββ)」となるという。12月の時点ではコンテンツを充実させるなどの改善があるとのことだ。
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