10月1日よりニワンゴの動画コミュニケーションサービス「ニコニコ動画」において、ページ上に表示された広告が自動的に次々と切り替わる「ローテーションバナー広告」が開始する。また、動画再生前に広告を表示する試みも始まる。
ローテーションバナー広告とは、サイト上部にあるバナー広告枠に表示される広告が、30秒おきに自動的に切り替わるというもの。これまではユーザーがページをリロードしない限り、同じ広告が繰り返し表示されていたが、ローテーションバナー広告の導入で広告枠の数を増やすことなく、複数社の広告を閲覧者に見せられるようになる。
ローテーションバナー広告を導入した理由について、ニワンゴの親会社でニコニコ動画のシステムを開発するドワンゴの顧問、夏野剛氏は「動画の場合、1ページの滞在時間が長いため」と説明する。ニコニコ動画では投稿動画の時間制限を設けていないため、1時間を超える動画も珍しくない。滞在時間の長いユーザーにより多くの広告を見てもらうために生み出されたのがローテーションバナー広告というわけだ。
広告は最大20件のローテーションが可能だが、当初は5件をローテーションでまわすという。また、閲覧者が広告を巻き戻したり、早送りしたりできる機能も備えている。
広告の価格は1週間掲載で63万円(税込み)。想定露出数は2000万インプレッションだ。
また、10月1日に動画視聴画面のデザインを変更し、これまで自動的に再生されていた動画を、「再生」ボタンを押さないと再生されないように変更した。これにあわせて、再生ボタンが押されるまでの間、動画右に広告を表示する。動画再生後は広告が消え、動画に付けられたコメントの一覧が表示されるようになる。
広告商品名は「ニコスポ」。広告の大きさは300ピクセル×250ピクセルで、ニコニコ動画内の広告では最大のサイズになるという。広告の価格は1週間掲載で84万円(税込み)。想定露出数は同じく2000万インプレッションとなっている。
これらの取り組みにより、動画表示枠はこれまでの3.5倍に増えるとのこと。ニコニコ動画事業は通信回線の費用負担が重く赤字が続いており、黒字化が課題となっている。広告枠を増やし広告単価を上げることで広告収入を伸ばし、2009年9月期中の単月黒字化を目指す考えだとしている。
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