米国時間9月16日、スーパーコンピュータ市場への参入を進めるMicrosoftがまた一歩前進した。同日、ハイエンドシステム大手のCrayが「Windows HPC Server」をOSとして搭載する初のスーパーコンピュータ「Cray CX1」に関する計画を発表したのだ。
Crayが発表したCX1は、OSとしてHPC Server 2008を搭載する。価格は2万5000〜6万ドルで、同社の製品としてはこれまでで最も手頃な価格となっている。
CrayのシニアバイスプレジデントIan Miller氏は、「HPC(High Performance Computing)市場において、Microsoft Windowsの重要性が一層高まっているとわれわれは認識している」と述べ、さらに次のように続けた。「われわれは、高生産性システムであるCray CX1とWindows HPC Server 2008を組み合わせることにより、さらに広範な新規ユーザーにCrayスーパーコンピューティングのパワーを提供しようと考えている。そのために、われわれは、導入やプログラムが容易で、さらに独立系ソフトウェアベンダーが開発した多様なアプリケーションも容易に利用できる極めて価値の高いシステムを手頃な価格で、かつアダプタブルな形で提供する」
Crayは、CX1を同社製品群の延長線上にある製品と位置付けており、大学、研究所、大企業内の事業部をターゲットにしている。同社は、CX1について「標準的なオフィスの力を利用するコンピュータとしては世界最高性能」と豪語する。
Microsoftベースのシステムをローエンド製品として提供し、プロプライエタリシステムをハイエンド製品として提供するという戦略はCrayにとっては理にかなっているが、リスクの高い戦略でもある。
米SGI(前Silicon Graphics)が辿った運命を思い出してほしい。同社は、Virtual Workstation製品群で同様のアプローチを取ろうとした。
一方、MicrosoftにとってCX1の発表は、HPC市場におけるMicrosoftの重要性をさらに高めようとする同社の取り組みがまた一歩前進したことを意味する。現行製品のWindows HPC Server 2008は、Microsoft初のHPCクラスタソリューションWindows Compute Cluster Server 2003の後継版だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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