MacクローンメーカーのPsystar、独禁法違反でアップルを反訴

文:Steven Musil(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年08月29日 18時45分

 MacクローンメーカーのPsystarは米国時間8月28日、反競争的な商慣習に関わっているとしてAppleを反訴し、著作権侵害訴訟に正式に対応した。

 予想通り、カリフォルニア州北部地区連邦地裁に提出された54ページに及ぶ訴状では、取引制限、不正競争などの独占禁止法違反のかどでAppleを提訴している。フロリダ州マイアミに本社があり、Rudy Pedraza氏が所有するPsystarは、Appleの使用許諾契約書(EULA)が無効であるとの判断を下すよう裁判所に求め、金額は明らかになっていないものの、損害賠償を請求している。

 Carr & Ferrell法律事務所に所属する、独占禁止訴訟を専門とする弁護士のColby Springer氏は声明の中で、「本訴訟は、誤解され、間違ったレッテルを貼られている著作権侵害訴訟よりも複雑だ。AppleのEULAの反競争的な性質など、Appleの著作権乱用に関連する反競争的な戦術が告訴の対象になっている」と述べた。

 Psystarは、「OpenComputer」が、一切変更が加えられておらず、まったくライセンス面でも問題のない「Mac OS X」のコピーとともに出荷されており、同社のPC上で、MacのOSを稼動させるため、単に「AppleのOS関連を含む、オープンソースライセンスのコードを利用した」に過ぎないと主張している。

 Pedraza氏は、Psystarは、「より多くの人たちが、Appleが開発したすばらしいOSを、高価なMacよりも手ごろな価格で利用できるようにしている」と述べた。

 Appleは、Psystarの反訴に対して、30日間の回答猶予があるが、これまでのところ、この件に関するコメントを避けている。

 法律の専門家は、Psystarにとって、Appleが自社のソフトウェアを自社のハードウェアにロードし、それにより消費者や競合会社に損害を与え、独占禁止法に違反していると証明するのは、法律的に難しいと述べている。PsystarがAppleとライセンス契約を結んでいるなら、AppleのOSを自社のハードウェアに自由にロードできることを主張して勝訴にこぎつける方が容易かもしれない、と専門家は指摘している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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