動画共有サイトを運営するVeoh Networksは米国時間8月27日、米連邦裁判所で争われていた著作権侵害訴訟に勝訴した。paidContent.orgに掲載された記事によるとVeohの勝訴は、YouTubeと親会社のGoogleにとって、Viacomが10億ドルの損害賠償を求めて起こした訴訟で自らの正当性を主張する材料になる可能性があるという。
Veohは2006年、成人向けに娯楽を提供するIo Groupに著作権侵害訴訟を起こされたが、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の条項に言及し、自社の行為の正当性を主張した。Veohが言及した条項は、著作権保有者から通知を受けた場合、著作権のあるコンテンツをウェブサイトから削除することを当事者に求めている。
カリフォルニア州サンノゼのカリフォルニア州北部地区米連邦地方裁判所の判事は、同社が自動化された動画投稿プロセスを採用し、コンテンツのサイト掲載に自発的な役割を果たしていないことから、ユーザーがサイトにアップロードした著作権のある動画をホスティングしたことに対して、Veohには責任がないと認めた。また記事によると、著作権保有者から通知を受けた際にVeohはコンテンツを削除しており、デジタルミレニアム著作権法のセーフハーバー条項を満たしていると裁判所は認めた。
今回の判決はGoogleにとって、Viacomが10億ドルの損害賠償を求めて起こした著作権侵害訴訟で、YouTubeの正当性を主張する材料になる可能性がある。Wall Street Journalの記事によると、Googleは声明で次のように述べている。
「法を順守し、著作権を尊重するYouTubeと同様のサービスがデジタルミレニアム著作権法によって保護されることを裁判所が認めたのは、すばらしいことだ。(中略)YouTubeは法で要求されている以上の取り組みを行ってコンテンツの所有者を守る一方で、人々がコミュニケーションをとり、自分たちの体験をオンラインで共有する力を与えてきた」
GoogleとViacomの訴訟はまだ決着していない。
だがViacomの広報担当者は、今回の判決を受け、YouTubeの運営がどこまで合法かという点について姿勢を変えることはないと述べている。
「Veohについて下された判決を他の裁判所が考慮に入れるとしても、YouTubeが著作権侵害に基づくビジネスを行う企業で、制作者やコンテンツ所有者の権利を守るためにしかるべき措置をとってこなかったという事実に変わりはない。GoogleとYouTubeは大規模な著作権侵害に関与してきた。この行為は、デジタルミレニアム著作権法を含め、いかなる法律によっても保護されていない」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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