ある若いソフトウェア開発者は自身が製作した「iPhone」向けゲームをAppleの「App Store」から削除することに決めた。同ゲームが有名なアーケード型ゲーム「Tetris」にあまりにも似ているからだ。
アトランタ在住の大学生であるNoah Witherspoon氏は、Appleの携帯プラットフォーム向けに「Tris」と呼ばれる無料のゲームを製作した。しかし、Appleは最近になってWitherspoon氏に連絡をとり、元祖であるビデオゲームのライセンスを持っているTetris Companyから、同氏のゲームが著作権と商標権を侵害しているという申し立てを受け取ったと同氏に知らせた。
Witherspoon氏はブログで、この件は法廷に持ち込まないと決定し、米国時間8月27日にこのゲームを引き上げると述べた。「私は大学生だし、裕福ではない。また、単純に今すぐに争うための時間、エネルギー、リソースを私は持ち合わせていない」と同氏は述べている。
その一方で、同氏は、Tetris Companyについて「法的手続きとまったく無縁の企業というわけではないけれど、わたしが自分を弁護できるほどのリソースを持ち合わせていない小さな開発者だということを拠り所にしている」と思うとも付け加えている。
Appleは、異なる理由で他にも複数のアプリケーションをApp Storeから削除してきた。これには、何の機能もないのに1000ドルもする「I Am Rich」と呼ばれるアプリケーションも含まれている。
著作権と商標権の法的な問題は、ウェブ上のどこよりもゲームの分野で複雑化している。その例としては、有名なボードゲーム「Scrabble」の未許可コピーである「Scrabulous」が「Facebook」の開発者プラットフォームで有名になり、法的な異議申し立てにより閉鎖されたという問題で明るみになったことがあげられる。
広告収入を得ていたScrabulousのクリエイターは、「Wordscraper」という名前で、ゲームボードのデザインを変更し、新しいポイントシステムをつけて再ローンチした。
同様に、TrisのクリエイターであるWitherspoon氏も、まだ問題は終息していないと述べている。「この状態が永遠に続くと私は思っていない。時間ができ、著作権に関して優秀な弁護士を見つけられたとき、わたしの立場と、どのようにしてTrisを再び世に出せるかについて答えを見つけられると思う」と同氏はブログで述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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