米Yahooは米国時間8月20日、インターネット対応TVの基盤となるソフトウェアへの取り組みを発表した。この動きは、TVの視聴形態のみならず、その広告形態をも一変させる可能性がある。
TVの視聴形態は、「American Idol」(視聴者投票によってアイドルを決定する米国のオーディション番組)への投票によって若干変化したところがあるものの、受動的な性格は概してそのままであり、一般的にもそう受けとめられている。Yahooは、「Yahoo Widget Engine」という、小さなアプリケーション(ウィジェット)の実行を可能にするソフトウェア基盤の新たなバージョンをインターネット対応TVに搭載することで、こういった状況を変えたいと考えている。
Yahoo Connected TVのバイスプレジデントであるPatrick Barry氏によると、「Widget Channel」という名前のこの新バージョンは、PC用のバージョンとよく似ているが、遠隔地からの制御が可能なウィジェットをプログラマーが開発できるよう、ユーザーインタフェースは異なったものとなるという。
Yahooはこの動きによって、インターネットにおける同社の力を使って新たな分野を切り開いていきたいと望んでいる。
「われわれの目標は、さまざまなデバイス上で動作する標準プラットフォームを提供することで、数百万人規模の視聴者を集約しながら、統一された整合性のある手法で視聴者にアプローチし、最終的に活気ある広告市場を作り上げることにある」(Barry氏)
Yahooは、同社のソフトウェアをTVに組み込み、TV本来の機能と統合するべく、TVメーカーとの提携締結に向けて取り組んでいる。Barry氏は「これを組み込んだ製品が登場すると確信している」と述べるとともに、「2009年には何らかのものが出てくると考えている」と述べている。
このテクノロジの具体例が初めて登場したのは、「Intel Developer Forum」において20日、IntelのDigital Home GroupのゼネラルマネージャーであるEric Kim氏が行った講演においてであった。同講演では、eBayのオークションを監視するウィジェットや、Twitterのマイクロブロギングサービス向けのウィジェット、Flickrの写真を閲覧するウィジェットのデモが行われた。
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