苦戦が続くAdvanced Micro Devices(AMD)で、会長兼最高経営責任者(CEO)のHector Ruiz氏が舵取り役の地位を退き、社長兼最高業務責任者(COO)のDirk Meyer氏がCEOの地位を引き継いだ。
Ruiz氏はこの指導者交代を、第2四半期決算を発表する電話会見の中で明らかにした。同氏は常任の会長としてAMDにとどまるが、同社経営トップの地位は直ちにMeyer氏へと受け渡される。「新しいリーダーへと会社を引き継ぐのに適切なタイミングだ」と、Ruiz氏は述べた。
Ruiz氏は2007年、後継のCEOにMeyer氏を指名すると発表したが、その際に2008年中は自分がCEOにとどまる予定だと話していた。しかしAMDは大きな損失が続き、取締役会が我慢できない状況になったようだ。
Ruiz氏はAMDの第3代CEOとしてMeyer氏を紹介し、同氏を賞賛した。
Ruiz氏は自身がCEOから離れることを発表し、「Meyer氏は企業幹部の才能があり、素早く決断し、迅速に行動に移すことで知られている。つまり、Meyer氏はわが社にとって適切な時期に、まさに適切な人物として指導者の地位に就くわけだ」と語った。
Ruiz氏は2000年に社長兼COOとしてMotorolaからAMDに入社し、2002年にAMDの設立者として知られるJerry Sanders氏の後を受けて同社CEOに就任した。Ruiz氏のCEO在任期間はめまぐるしい変化の時で、PC関連企業の中で比較的影の薄かったAMDは、「Opteron」プロセッサによって半導体業界の有力企業へと飛躍したが、4コアプロセッサ導入の失敗により再び精彩を欠くようになってしまった。
半導体業界では、Meyer氏の技術者としての才能は疑いの余地がなく、過去20年間に非常に重要なプロセッサ設計をいくつか統轄してきている。
「Meyer氏は経験豊富で精力的な技術者で、40件を超える特許と画期的な『DEC Alpha』を初めとする数多くのチップ設計の実績がある。Meyer氏は、業界を一変させるAMD64アーキテクチャの設計を指揮し、その後、当時のコンピュテーションプロダクト事業部を率いた。これにより売り上げは倍増し、顧客ベースおよび提携と研究開発の規模は拡大し、マイクロセッサ業界の姿は私たちが知っているものへと変貌した」と、Ruiz氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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