「YggDore(ユグドア)」というサービスが先日ベータテストを開始した。ログインIDとパスワードをさまざまなサービスで共通化するサービスを提供している。
Webサービスなどを開発するサードパーティは、ログイン時の認証にYggDoreが提供するIDとパスワードを利用することができる。そのため、サービス運営者はユーザーのIDとパスワードを自社で持つ必要がなく、個人情報の管理コストを軽減できる。
利用する際にも面倒な手続きはなく、ユグドアが提供する「YggDore Client」というライブラリを自社サービスに適応すれば利用できる。必要な仕様としてはApacheとPHP5、SimpleXMLのモジュール。あとは、グループIDと文字コードを設定すれば利用可能となる。
ユーザーが利用するためにはIDとパスワード、メールアドレスを登録した上で、表示名(ニックネームのようなもの)を日本語、英語名と個別で設定することができる。
このようなログインの統一といえば、OpenIDが思い浮かぶ。しかし、OpenIDとYggDoreが異なるのは、OpenIDが統一規格なのに対し、こちらは共通規格化するサービスそのものだという点だろう。Webサービスを開発するサードパーティにとってOpenIDの利用はシステム面でハードルが高い。しかしそれに比べると、YggDoreは簡単に利用できる。
コミュニティーやWebサービスを開発する人にとって、このようなユーザー情報の管理はしばしば悩みの種となる。セキュリティにも配慮する必要があり、そのコストも馬鹿にならない。これを保有することも自社の強みとはなるが、必要としないならば外部のサービスを利用することも1つの手段ではないだろうか。
このような共通規格の流れは海外でも非常に増えてきている。たとえば「Clickpass」というサービスを使えば、GoogleやFacebookなど普段利用するソーシャルメディアのアカウント情報を使って、対象サイトにログインすることができる。サードパーティがOpenIDを使いやすくする試みとして興味深い。また、先日は「Emailtoid」というサービスが登場した。これは、OpenIDにメールアドレスを連結してしまおうという試みだ。
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