Yahooは最新の組織改編で、クラウドコンピューティング&データインフラストラクチャグループを立ち上げた。プレスリリースによると、スケーラビリティと費用対効果を両立させるコンピューティングインフラの開発を担当するという。利用時払いのクラウドコンピューティングインフラを開発者や企業に販売する事業に、Yahooが参入することになるかもしれない。
Yahooの最高経営責任者(CEO)Jerry Yang氏に直属する最高技術責任者(CTO)Ari Balogh氏によると、Yahooは長年にわたり巨大なインフラ(現在クラウドコンピューティングと呼ばれているもの)を構築してきたが、その中核をなすテクノロジに従事するさまざまな人材やチームを1つのグループにまとめるのが、今回の新組織の目的だという。
「新グループは主に社内向けだ。しかしAmazonやGoogleのように、規模と統合の程度がそれなりのものになれば、サービスを提供する可能性はある」と、Balogh氏は言う。Microsoftもこれと同様の方向に進むと見られる。
クラウドベースの社内向けあるいは外部向けのインフラサービスによって、YahooはGoogleやAmazon.comを飛び越すことが可能だ、とBalogh氏は考えている。
「クラウドやグリッドをめぐって新しいイノベーションが起きている。研究が進んでいる最新の話題だ」とBalogh氏は言い、Yahooが競合他社よりも新しい、2005年から2007年にかけての技術コンセプトを採用しようとしていると主張する。
Balogh氏が言及したのは、「Hadoop」(拡張可能な分散コンピューティングのソフトウェア)などのオープンソースのシステム、差別化要因となるデータ抽象化実装の新手法、そしてACID特性(データベースのトランザクション処理の信頼性を保証する特性で、Atomicity(原子性)、Consistency(一貫性)、Isolation(独立性)、Durability(永続性)を意味する英語の頭文字をとったもの)の要件緩和だ。
Yahooが世界に展開する構造的基盤は自己回復力を持つようになり、「競合他社よりも少ない人員で、より高水準の可用性を目指した運用が可能になる」と、Balogh氏は言う。
クラウドコンピューティングの最適化でMicrosoft、Google、Amazon.comを打ち負かすことができれば、予想もしなかった大勝利となる。Yahooでは、同社の主要研究者の1人であるRaghu Ramakrishnan氏が、クラウドコンピューティングの研究にあたっている。同氏が2008年に行ったプレゼンテーションの資料はこちら(英語のPDFファイル)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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