Manber氏は、「基本的なアイデアは、エンジニアから抵抗感を取り除くことだ(中略)アイデアを持つエンジニアは許可を求める必要はない」と述べた。エンジニアはアイデアを試し、Googleは週1〜2回ミーティングを行って、変更をGoogleの主な検索結果に取り入れるべきか、データを見て判断する。
これらの実験は専用のサーバで行われているとManber氏は述べた。
「Googleでわたしが率いているグループは、数ペタバイトの記憶容量を持つ、数千台のマシンを自由に使っている。これはわれわれ専用で、ユーザーのクエリの処理用ではない」(Manber氏)
また、Googleはユーザーで検索アルゴリズムの変更をテストしている。グループ分けされたユーザーは、A/Bスプリットテストと呼ばれる比較プロセスにより、異なる検索結果を受け取ることになる。
これにより、Googleは検索の変更を迅速かつ頻繁に採用できる。たとえば、Googleは2007年、検索アルゴリズムの変更を450回行った。
「Googleは、エンジニアなら誰でも物事を改善できるようにした。主な理由は、基づいているものがデータだからだ。研究と開発は切り離せない。全員がどちらも行っている」(Manber氏)
Manber氏は難しい検索に一風変わった喜びを感じ、検索への期待に合わせてGoogleのインフラの能力、サイズが拡大しているという事実を楽しんでいるようだ。
同氏は、人間にはその意図がはっきりしていると思われる一連の検索として、「2006年10月25日にユタ州南東で起きた飛行機墜落事故のニュース」「耳が印象に残るヘアスタイル」「肋骨下の炎症と痛み」「6X÷10Xという計算問題の答え」「1ポンドのカロリー数」「計算エラーで空のエクセルが表示される」などを例に挙げた。
これらのうち、Googleが正しい答えを提供できたのは炎症を起こした肋骨だけだったという。
また、簡単なクエリもやっかいな場合がある。Googleはコンテクストにより、「GM cars」(車)というクエリでは「GM」がGeneral Motorsを表し、「GM foods」(食品)では遺伝子組み換え(genetically modified)を表していると判断している。
Googleはさまざまな高度な検索オプションを提供しているが、すべての検索で1つの検索ボックスを使用するのが一般的な方針だ。
Manber氏は、「できるだけユーザーの意図を理解し、必要な答えを提供しなければならない」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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