[レビュー]東芝「dynabook SS RX」(後編)--リアルモバイル環境からストレスをなくす、1本芯が通った逸品 - (page 2)

東芝
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内容:東芝の「dynabook SS RX」は、ビジネス向けとして理想的なスペックを持つ、超薄型ノートPCだ。後編の今回では、ワイヤレスWANにも対応し「モバイルの理想形」と表現される、このビジネスモバイルの通信機能に注目して、「リアルモバイル」の使用感をレビューしたい。

外作業で大きなメリットを感じる半透過液晶

 モバイルノートを使う上で、液晶の輝度という問題がある。モバイルという特性上、太陽光が当たる屋外で使う場面も少なくない。昼間なら曇りの日や日陰であっても、一般的な室内よりも明るく、液晶画面が見にくいという問題に遭遇する。

 この対策として、周囲の明るさに負けないくらい画面の輝度を高める方法があるが、これでは電池がもたない。また、どんなに明るくしても直射日光が当たるような場面では画面の輝度は太陽にはかなわない。

 実際の利用シーンでは、外出中に日陰の喫茶店ばかりでモバイルをするわけにいかない場面もある。自分の場合は、たとえば現場でデータを参照するときなど、直射日光の当たる場所で立ったまま画面を見たり、ベンチなどですぐにデータを送ったりする必要性に迫られることもある。画面が見づらいと、なんとかファイルで光を遮ったり、時には逆に暗がりに移動する必要も出てくる。見てもらう相手全員に移動をお願いしなくてはならず、気まずい雰囲気に胃が痛んだ経験もある。

 今回のRXには、そんなときに役立つ半透過液晶が採用され、バックライトなしでも見える構造になっている。通常の液晶ではバックライトがないと表示内容がほとんど見えないのに対して、半透過液晶なら周囲の明るさを反射させてバックライトなしでも表示内容が見えるのだ。レビュー中は実際に屋外や、太陽光を取り入れたカフェなどで使い、そのメリットを痛感した。どんなに明るい場所でもそのまま画面表示を確認できるのだ。

 バックライトをオフにする操作も、専用のボタンがあり、ワンタッチで半透過モードに変更できる。ここを操作するのはそもそも画面が見えづらい状況下なので、専用ボタンがあってくれて、使用中に実際助かった。また、このボタンは電池残量が少なくなったときに延命措置としても利用できた。ノートPCの消費電力のうち液晶のバックライトはかなりの割合を占めているので、この機能は実用的だ。LEDは低消費電力のため、環境面にも配慮されていると言えよう。

 また、半透過モードが利用できるといっても、通常のバックライト利用で違和感が出るようでは本末転倒だ。その点もRXなら問題ない。しかもLEDによるバックライトは輝度調整の範囲は、かなり広く感じた。うす曇りの日なら、半透過モードを使わなくても、表示が確認できるほど輝度を高めることもできて快適だ。

 なお、輝度の調整範囲は下限も広く、プレゼン中の演題など、バックライトを最小限にしたいときでも対応可能。また、見にくくない範囲で輝度を下げておけば、わずかだがバッテリー利用時間を延長することも可能だった。

  • 直射日光のもとでも、半透過モードを使えば画面が見やすくなる

  • 半透過モードとバックライト表示の切り替えは専用ボタンで行える

モバイルのセキュリティは指紋センサーが大活躍

  • 指紋センサーはタッチパッドの下に搭載。使うと手放せなくなる便利な機能だ

 RXにはセキュリティ機能として、指紋センサーを搭載している。指紋センサーの便利さは使っている人にはよく知られているが、まだ使っていない人がいるなら、すぐにでも使ってほしい機能だ。

 なぜなら、いままではめんどうでパスワードをかけていなかった場面でも、指紋センサーを利用することでパスワードを積極的にかけられるからだ。ときどき、めんどうだという理由でWindowsログオンパスワードもかけていないユーザーも見受けられるが、そういった人でも、指紋をサッとひとなでするだけでパスワード利用と同等のセキュリティ機能を使うことができれば、利用するようになるだろう。

 また、パスワードが苦にならない人にも指紋センサーのメリットはある。たとえば、モバイル環境では人の視線がある場所でパスワード入力しなければならないこともある。指紋センサーならキーボードでパスワードを叩くことはないので、パスワードの覗き見という問題も気にならなくなった。

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