幹部の交代は企業につきものだが、Yahooの場合、船を見捨てる幹部が続出し、危ない橋を渡っている状況だ。
Yahooは沈みゆく船ではないが、大きく傾き始めており、船長の操縦術、リーダーシップのスキルへの疑問に拍車がかかっている。幹部の流出は、現在の指導体制、経営陣に対する暗黙の拒否である。
幹部の辞任により、多くの経験、企業知識が社外に持ち出される。Yahooの未来についての論争や先行き不安に疲れたものもいれば、差し迫った大々的な再編を快く思っていないものもいる。
Microsoftが5月に交渉の席から立ち去って以来、Yahooは、株主代表訴訟(反乱)、懐疑的なウォールストリート、しつこいマスコミ、そして今は誰もが知るところの幹部の辞任というように、混乱状態にある。
現時点では、Yahooは公には幹部の流出に対処したり、会社の再編をまとめたりしていないが、CEOのJerry Yang氏と社長のSue Decker氏が立ち泳ぎをしていることが次第に明らかになっている。たとえ彼らに船を立てなおす展望、知性、情熱があったとしても、この状況では、誰かを捧げて、経営の神をなだめなければならないだろう。以前書いた通り、Yang氏はYahooに大出血を負わせ、彼の紫色の血が海水に流れ出し、サメが回りを囲んでいる。
問題は、Yang氏がCEOを辞任した場合、船を引き継ぎ、部隊を再編成し、競争力のある製品を提供するのに望ましい人物は誰かということだ。Decker氏はおそらく、ここ数カ月の大混乱であまりに大きなダメージを受けている。しかし、Carl Icahn氏とYahooの経営陣が会社の支配権を争っているときに、会社を引き継ぎたいと思う外部の人間がいるだろうか。そして、もしIcahn氏のグループが支配権を得た場合、新しいCEOは、不安を感じる株主が金を受け取って逃げ出せるよう、会社を解散するだけのために存在することになるのか。
残念なことに、Yahooの短いが印象に残る歴史の最も新しい章は、金についての話になっている。Yahooのチームが製品の構築に集中できるかどうかの方が、Yahooの5億人のユーザーにとってははるかに興味深く、有益な可能性がある。
Yahooは米国時間6月19日午後、一連の辞任に関する声明を発表した。
「Yahooには、あらゆる分野に精通した才能ある経営陣がいる。2008年のYahooの中核となる戦略の実現の成功、主要な製品のタイムリーな投入は、経営陣が有効に機能していることを証明しており、Yahooは今後も優れた人材の募集を続ける。Yahooは常に業界のリーダーであり、たとえインターネット業界につきものの人材の減少を経験しても、ユニークでエキサイティング、そして有力な職場であり続ける」
現実には、豊富にいた有能な人材が日ごとに減少しており、現状では、優れた人材を募集することは次第に難しくなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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