アンラボは6月10日、悪性コードの統計をまとめた「ASEC(AhnLab Security Emergency response Center)レポート5月号」を発表した。5月の悪性コード被害報告件数は4月より約32%増加の7650件となった。このうち、トップ10の報告件数は全体の2.7%にあたる204件であった。
トップ10の上位は、「Win-Trojan/Downloader.7168.XG」が62件で1位、「Win-Trojan/OnlineGameHack.9698」が24件で2位、「Win-Trojan/OnlineGameHack.11008.D」が21件で3位、「Win-Trojan/Brontok.54336」および「Win32/LdPinch.worm.53248」がともに18件で4位となっている。
全体被害報告件数に対するトップ10被害報告件数の占有率は減少傾向にある。これは、特定の悪性コードにより被害が広がるのではなく、さまざまな悪性コードによって被害が広がっていることを意味している。またトップ10入りした悪性コードのタイプを見ると、4位にランクインしたワームを除く残り9件がトロイの木馬だった。
最近、中国などでゲームハッキングを簡単にできるツールが続々と発見されていることから、アンラボではトロイの木馬の猛威は今後も続くものと見ている。また、インターネットを利用する個人ユーザーのシステムが狙われて個人情報が流出する事故も発生しているため、ユーザー1人1人が個人情報管理に対して注意する必要があるとのこと。特に金銭的利益を目的にユーザーの個人情報を狙う悪性コードを作る傾向が高まっており、今後も被害が広がることが予想されるとしている。
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