ベンチャーがメインストリームとなる閉鎖的空間の構築に成功すれば、その価値は明らかに高くなるだろう。事実上、何百万もの人が利用するインターネットになり、150億ドルの評価が下される可能性さえある。問題は、成功への道をたどるのはきわめて難しいということだ。
マス・マーケット・ユーティリティ・モデルも同様に価値が高いといえるかもしれない。簡単に言えば、「ソーシャルグラフとコミュニケーションツールがひとつになったもの」だ。電子メール、SMS、VoIP、Poke、Wall、Vampireなど、人々に関心を持たせるものなら、何でもコミュニケーションツールになる。ソーシャルグラフは、スパムをコントロールし、交流するための手段である。有名なのは、巨大な電子メールネットワークを持つGoogle、Yahoo、Microsoft(GYM)といったベンダーだ。これがすべてのM&A騒動の裏話だ。
最もこの戦略的な決定を行う必要がある企業、すなわちFacebookは、150億ドルという価値評価に最もとらわれている企業である。大学生向けのニッチな閉鎖的空間にせよ、GYMに対抗するマスマーケットユーティリティにせよ、いずれの道も150億ドルの価値を正当化できない。そのため、Facebookは、マスマーケットの閉鎖的空間が実現可能なふりをする必要がある。たとえ、もはや誰もそれを信じていないにしてもだ。これはやっかいなジレンマだ。あなたは、MicrosoftがFacebookに150億ドルの価値評価を付けたとき、彼らがFacebookにやっかいなジレンマを与えたことに気づいていたと思うか。わたしに言わせれば、Gates氏もBallmer氏も相当頭がいい。
以下の3つの理由から、マスマーケットユーティリティは最終的には成功するだろう。
マス・マーケット・ユーティリティ・モデルはAPIで実現されるだろう。これまでに言われてきたことと同じように聞こえるかもしれないが、大きな違いが1つある。現在のAPIはアプリケーションを1つ、あるいは2〜3の閉鎖的な空間に組み込んでいる。ユーティリティAPIは、ソーシャルグラフにアクセスするためのもので、あらかじめ定められた費用で、ソーシャルグラフをユーティリティからアプリケーションに組み込む。その後どうするかは、完全にあなた次第である。
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