米Yahoo社長のSue Decker氏は米国時間6月4日、ニューヨークで開催されたAdvertising 2.0カンファレンスにおいて同社のWal-MartとHavas Digitalとの広告契約について語り、続いてCNBCの「Power Lunch」でYahooの成長計画について語った。
ディスプレイ広告契約について:「インターネットにおける広告とともにあったディスプレイ広告にとって、非常に楽しみな時期が来たと思っている。5年そこらがたち、革新のほとんどは検索に関するものであったが、われわれは今、ディスプレイ広告が広告売買における摩擦を払拭し、新たな道を切り開こうとしていると感じる。今日これをオンラインで実現するのは非常に困難である。キャンペーンを打ち出し、適切なすべての顧客にメッセージを届けるまでに2週間かかってしまう。そこでYahooは、いかにしてそのプロセスをより容易にし、ブランドを確立し製品を送り出すための創造的なリソースとエネルギーを確実に放つかに焦点を当てている」
Microsoftとの交渉について:「私が今日述べたことは、(MicrosoftのCEOである)Steve Ballmer氏の先週のD-Conferenceでの発言や、(YahooのCEOである)Jerry Yang氏と私が(そのイベントにおいて)繰り返し述べた内容とほぼ一致している。つまり、Microsoftが様々な提携についてわれわれと議論していると述べたとおり、現在交渉中である。Microsoftのいくつかの提案に関しこの4カ月半の間交渉を続けており、同社が株主の価値を高めてくれるのならば、わが社の取締役会もそれに向けた様々な方法に非常に関心がある」
議論を巻き起こしているYahooの人員整理計画について:「多くの企業が、事業を拡大するため、あるいは会社の支配権が代わった場合に従業員を確保するための手段として、チェンジオブコントロール(資本拘束条項)を定めている。このような状況においては、次世代の製品とサービスを創造するわが社の人材こそが、Microsoftが関心を抱く資産であり、わが社の取締役会が非常に貴重であると確信している資産である。資産がなくなくなってしまうのでは買収企業にとっても非常に難しい状況となる。そこで(契約を)締結する日まで人材を維持するために設けられたのがこの計画であった」
Carl Icahn氏による委任状争奪戦と、Yang氏の人員整理計画はMicrosoftとの提携を妨害しているとする同氏のコメントについて:「450億ドルという買収価格は、人材を維持するためのものであった。Yahooは同社の人材を非常に不安定な状況に置くわけにはいかなかったため、取締役会は、Microsoftが支払うつもりの価格に見合う価値が買収後にも維持されるようにするために適切に対応しようとしていたのだ」
Yahooの株価と、Microsoftまたはその他の企業との提携について:「わが社の目的は、株主の価値を最大化することである。前にも述べたとおり、Microsoftが買収から撤退する前に、どこまで株主の価値を高められるか、それにはどのような条件が必要であるかについて議論がなされていた。その価値の確実性と買収成立時の規制上の確実性についてである。しかし取締役会の観点からの同社の価値とMicrosoftが提示した金額の間に隔たりがあったため、交渉成立には至らなかった。取締役会は今後も株主の価値を最大化するものならばどのような交渉にも応じるつもりでいる」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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