CES 2008で飛び出したデジタル音楽分野の最も画期的なニュースは、Napsterが600万曲以上の全楽曲をDRM(デジタル著作権管理)フリーのMP3フォーマットで提供する計画であるというものだろう。この発表は、米国時間5月19日、Napsterのバージョン4.5のソフトウェアとストアのリリースによって現実のものになる。eMusic、Amazon MP3、さらにはNapster自身を含めたデジタル音楽ストアはすでにMP3フォーマットの楽曲を販売していたが、3社すべてのカタログを合計しても、Napsterの全ライブラリに存在する楽曲数にははるかに及ばない。しかし、これで全4大レーベルと何万曲ものインディーズの楽曲がNapsterに並ぶことになり、しかもすべての楽曲が99セントの価格で購入できるようになった。デジタル楽曲にとってこの意義は非常に大きい。
さらに朗報なのは、同社のウェブベースのストア(MP3の購入とダウンロードが可能)がすべてのOSと互換性があることである。そして、言うまでもなく、MP3はあらゆるMP3プレーヤー、携帯ビデオプレーヤー、音楽再生機能付き携帯電話で再生できる。現在、カタログの95%の楽曲は256kbpsのビットレートでエンコードされているが、これはMP3としては十分に高音質である。また、すべての楽曲に高解像度のアルバムジャケットの画像(1000×1000ピクセル以上)が付属する。Napsterは国際的に大きな存在感を示しているが、MP3ストアは今後しばらくの間は米国内の居住者しか利用できない。
Napsterは今後もオンラインおよび「Napster To Go」サブスクリプションサービスをそれぞれ月額12.95ドルおよび14.95ドルで提供する。サブスクリプションに関連づけられた楽曲は依然として保護付きのWMAフォーマットであり、タイムアウト機能も付けられている。Napsterはオンラインインターフェースに若干の改良を施し、現在ではストアまたはメディアプレーヤーのウインドウをリサイズすると、すべての内容がリサイズされる「リキッドレイアウト」機能を備えている。また、すでに購入済みの楽曲や購入後にその楽曲をダウンロードしたかどうかをユーザーが確認しやすいようにダウンロード管理システムも改良した。残念ながら、レーベルの制限により、Napsterは「Napster a la carte」サービスで購入したDRM保護付きのWMAファイルを持っているユーザーに対して、いかなる種類の交換プログラムも提供しない予定だ。しかし、これらのファイルのライセンスは引き続きサービスでサポートされるため、MSN Musicのスキャンダルの再来を心配する必要はない。少なくとも今のところは。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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