Red Hatは米国時間5月13日、同社の愛好家向けLinuxの第9版「Fedora 9」をリリースした。このFedora 9には、競合製品であるUbuntuには搭載されなかったKDE 4ユーザーインターフェースが搭載されている。
これはFedoraとUbuntuがKDE 4のような新しいプロジェクトに対し、異なるアプローチを取っているためだ。KDE 4は新しく、KDE 3.5から大きく変更されているが、まだ十分に安定しているとはいえない。
Red Hatは現在、2種類のLinuxを提供している。1つは、無料で提供しているFedora。Fedoraは、新たなプロジェクトを初期導入者の手元に届ける一方で、それらのプロジェクトを成熟させる、いわば「性能試験場」の役割を果たしている。そして、もう1つは有料のRed Hat Enterprise Linuxだ。こちらは、さまざまなハード、ソフトウェアへの対応が保証されている。
それに対し、Ubuntuは1種類のみである。製品自体は無料で、サポートは別途購入可能だ。Ubuntuの創設者であるMark Shuttleworth氏は、Red HatやNovellのSUSE Linuxのように、製品を複数の製品ラインに分けるやり方が気に入らず、製品を1種類に絞るという考えで、Ubuntuを立ち上げた。
Ubuntuの最新版であるHardy Heronは、Canonicalの最新版Linuxで、同社にとって2つ目となる長期サポート対象製品であるが、KDE 4をサポートしなかった。これは、同社がより成熟したものを必要としたためだ。一方、Fedoraには実質的なサポートの必要性はなく、製品寿命も短いため、最新のプロジェクトも導入可能だ。
しかし、Ubuntuユーザーのおよそ3分の1が、より広く利用されているGNOMEより、KDE 4を選んでいる。KDE 4に対する需要に対応するために、Ubuntuのプログラマーたちは、Fedoraと同じようなアプローチを取った。彼らは現在、Hardy HeronのKDE 4版の開発に取り組んでいる。しかし、このKDE 4版には通常版Ubuntuでは保証されているサポートが付いていない。
Fedora 9にはそのほか、Sun MicrosystemsのオープンソースJavaソフトウェアであるOpenJDKやGNOME 2.22、Firefox 3 Beta 5などが含まれている。また、システム管理者によるIDポリシーの管理を可能にするFreeIPAや複数のネットワークをより有効に活用するためのNetworkManagerパッケージの改良版も備えている。
Fedora 9は、Fedoraのウェブサイトからダウンロード可能。同サイトにはまた、Fedora 9のリリースノートへのリンクも張られている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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