M1、F1はもう古い--より深いターゲット分析がプランを変える - (page 2)

千賀由久(マインドシェアジャパン株式会社)2008年04月28日 12時00分

 ここで、ターゲットコンシューマー分析の為のデータソースを、大きく3つの種類に分けて説明します。

  • 1.企業が持つ自社データ
  • 2.既存の汎用データ
  • 3.特定の専用調査データ

 ※調査用語では、2を二次調査データ、3を一次調査データ、と呼ぶことがあります。

1.企業が持つ自社データ

 企業がすでに蓄積している自社データはコストもかからず最も精度が高いものと言えます。データの中身としては、過去の自社サイトログデータのまとめ、オンラインから登録してきたユーザーの属性、過去広告キャンペーンの結果レポートなどが一般的です。その他に企業が独自に調査したデータなどがあれば非常に良いサポートになります。

 しかし実際のプラニングの現場ではこのようなデータがメディアプランナーに与えられないことが多いのが現状です。それは大企業などで広告担当部署(実際にメディアプランナーと広告キャンペーンを進める方)と企業の過去データを管理している部署の非連携や、企業におけるConfidentiality(機密事項)の問題などによってデータが出てこない場合が考えられます。その企業独自データなので、もしデータをシェアできるのであれば最も分析効果が得られやすいと思われます。

2.既存の汎用データ

 マーケット既存データは有料/無料、公開/非公開問わず、様々な目的にあわせ汎用的に使用できるものをさします。前述で紹介した広告代理店が独自にもつツールや第三者の調査データ(一般的なものはビデオリサーチやNielsen//NetRatings)、また、業界という括りでリサーチを行なうシンジケート調査などがあげられ、それらを活用することで時間と費用を少なくする事ができます。

 ビデオリサーチやNielsen//NetRatingsなどは広告に特化した調査データであることもあり、多くの有効な分析が可能です。ただし、汎用データの宿命として多くの企業の広告活動に沿うように万遍なく網羅することを目標としているため、ターゲットの深い分析や企業が特異なターゲットオーディエンスを対象としている場合、分析が困難となることがあります。

3.特定の専用調査データ

 特定の調査実施については上記でフォローできない部分を埋めるために行います。かつて調査といえば手間もお金もかかるものではありましたが、インターネットにより手軽に行うことができるようになり、またインターネット調査を生業とする企業が多く誕生しています。

 調査会社同士が安価での競争を行っていることもあり最近では積極的に使用されるようになっています。よくインターネット調査で利用されているのはマクロミルやインテージなどがあげられます。

 インターネット広告プランにおいて、ターゲットコンシューマー分析はターゲットに無駄なくリーチさせるためのメディアサイト選択に利用されることが多くなっていました。しかし、ターゲットコンシューマーのProfileやPsychographic、Lifestyle分析を加味することによって、提案されるプランの厚みや拡がりがさらに出てくることとなります。

 そして次回はインターネット広告における競合分析についてお話をつなげていきたいと思います。

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