Microsoftの最高経営責任者(CEO)、Steve Ballmer氏が、ミラノでの講演でYahooへの買収提案を撤回する可能性に触れた。米国時間4月23日にはその模様を収めた動画を、Bloombergが公開している。
Yahooの第1四半期決算に対するアナリストらの評価は冴えず、少なくとも1人のアナリストは推奨評価を下げたことから、同社の株は23日の株式市場が始まるとやや値を下げた。
また、Ballmer氏の発言もYahooの株価の足を引っ張った。同氏は発言の中で、MicrosoftがYahooの買収額を引き上げる可能性はほぼないとし、「Yahooなしで独自の道を行く用意もある」と語ったとDow Jonesは報じている。
Yahoo株は23日、取引開始早々に一時は2.87%、額にして82セント下げ、1株あたり27ドル72セントとなった。その後やや値を戻して終値は28ドル8セントとなったが、前日比1.61%の下落となった。
一部のアナリストは、Microsoftにとって、2月1日に示した1株あたり31ドルという当初の買収額を引き上げる材料はほとんどないとの見方を強めている。
Credit Suisseの証券アナリスト、Heath Terry氏は調査報告の中で以下のように述べている。「YahooはMicrosoftとのあらゆる交渉に消極的な姿勢をとり続けるとみられる。また、買収手続きの完了に必要な規制当局の認可手続きが長引くリスクもあり、さらにはMicrosoftあるいはそれ以外の企業から、現在の提示より高い買収額を引き出す可能性もほとんどなくなっている。そのため、われわれはYahooのレーティングを『買い』から『中立』に見直しているところだ」
一方、Stanford Groupの複数のアナリストは、Microsoftが今後「敵対的な手法をとって」Yahooの買収を試みるとの確信をますます深めている。Ballmer氏は3週間ほど前にYahooに書簡を送り、買収に応じなければ、取締役会を掌握するための委任状争奪戦と株主への直接交渉に直面するとの最後通達を行った。Yahooが買収に対する結論を下す期限は、26日と定められている。
Yahooは、22日にアナリストを対象に第1四半期決算発表についての電話会議を開催したが、このなかで買収額の交渉について言及した際に「これまでより高い意欲」を示したと、Citigroup Global Marketsのアナリスト、Mark Mahaney氏は調査報告の中で述べている。
UBS SecuritiesのBenjamin Schachter氏をはじめとする多くのアナリストは、今後のYahooの株価について、Microsoftによる買収の見通しと、Yahooの四半期の業績または今後の業績予測をもとに決まっていくだろうとの見方を示している。
「22日夜の決算報告が買収見通しに何らかの影響を与えることはないと考えている。われわれは、Microsoftは今後、買収額を引き上げるか、おそらく1株あたり32〜35ドルの範囲で100%現金による買収を行うとの見方を変えていない」と、Schachter氏は調査報告の中で述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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