レコードを音源にした音楽CDと通常のCDを聞き比べたところ、レコード音源の方が中低音域にボリュームがあった。ただし高域は通常のCDに比べて、ぼやけており、シンバルや管楽器などの音色は多少くすんでいる。その影響なのか、レコード音源で作成したCDのほうが丸みのある音になっている。高音部に補正をかけて再生してもいいが、そのまま“優しい音”として楽しんでもよさそうだ。
筆者はPS-LX300USBを使い終えて、USB接続方式のプレーヤーの将来性を感じた。ただ万が一次期モデルが開発されるとしたら、以下の点が課題として残ると感じた。
●設置
アナログプレーヤーは使用頻度の割りに設置場所を必要とする。現行モデルのままだと収納場所に困るので、薄型のフラットベッドスキャナーのように使わないときは縦置きできるような構造は取り入れるべきだ。
かつてソニーは再生するときだけターンテーブルがスライドしてせり出す、リニアスケーティング機構を備えた「DS-FL5」や「PS-FL3MC」というレコードプレーヤーを生産していた。この製品はプレーヤーの上に物が置ける構造になっており、省スペース性に富んでいた。もし後継機があるのなら、温故知新でリニアスケーティング構造に再度注目していただきたいと思う。
●操作性
長くなるのでSound Forge Audio Studio LEの操作性には触れないが、パソコンの周辺機器と考えて時の操作性について触れておきたい。前述したように、現在、プレーヤー録音ソフトを別々に操作しなければならない。これが不便だ。せっかくUSBで接続しているのだから、パソコン側のソフトでプレーヤーも操作できるようにすべきだろう。マウス操作1つで録音できたらさぞ便利だろうと感じた。
PS-LX300USBは多少チープな印象は受けるが、押し入れに眠っている貴重なアナログレコードに再び息を吹き込める魅力的なアイテムだ。付属ソフトのSound Forge Audio Studio LEは、についての操作性については一言申し上げたい部分も多々あるが、レコードから音楽CDを作成するという部分については及第点の使い勝手だと思う。
むしろプレーヤーとソフトが付属して2万円台前半で手にはいるの格安だと言えるだろう。
筆者はPS-LX300USBをテストしたおかげで、久しぶりにアナログレコードを整理して、持っていることすら忘れ去っていたアルバムと再会できた。必要なアルバムはCDで買っているのだが、レコード音源には音質だけで語りきれないぬくもりがあるように感じられたのはレコードに染みこんだノスタルジーなのかもしれない。
アナログレコードを処分できずにいるのなら、休日の良き相棒として購入を検討したい製品だ。
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