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必要なのは真の成功目指し「穴を掘る」パートナー - (page 2)

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勝屋氏:グローバルな会社とアライアンスを結ぶこと自体難しいですし、日本で小さく収まりそうなことはせず、いきなり世界に打って出るというチャレンジ精神が素晴らしいですね。ちなみに直野さんはなぜ起業されようと思ったのでしょうか。

直野氏:私の経歴を簡単に申し上げますと、学校を出て8年間、日本の大手IT企業に所属しておりました。その後、シリコンバレーのベンチャー企業に入り、NASDAQ上場を経験し、その後は本社執行役員として成長に貢献しました。米国的な考え方ですが、その会社を9年やって自分でも十分な成果を上げることができたと思ったので、米Worldview Technology Partnersからお声がけいただいたのをきっかけに、同社のEIR制度(Entrepreneur In ResidenceとExecutive In Residenceという2つの意味を持つ略称、この場合は前者の客員起業制度の意)で秘書と部屋と給料をもらって、仕事を始めるまでは好きなことをしていていいが、仕事を始めたら優先的に投資を受けなければいけないという立場となりました。

勝屋氏:羨ましいお話ですね(笑)

直野氏:しかし、商売を始めるとなったら彼らに優先権があり、言い値ですからね。

 その期間に面白い案件がなければやらないつもりだったのですが、アメリカと日本を行き来してさまざまな人と会っているうちに「人生をかけてもいい!」というアイデアが出てきたんです。

 Worldview Technology Partnersとは彼らのファンドがうまく組成できなかったこともあり、EIRの契約は白紙に戻してもらったのですが、今回の商売のベースはEIRでお世話になった時期に作っていますので、彼らには個人で株主になっていただきました。

勝屋氏:なるほど、直野さんの起業のきっかけはそういうお話だったのですね。では、お2人の出会いのきっかけはなんだったのですか。

画像の説明 「私は器用じゃないので、常に本音を言ってしまい喧嘩をしてしまう。直野さんとも相当やり合いましたが、それを乗り越えると後が楽になるんですよ」

谷本氏:前の会社にいた時、直野さんのセミナーを聞いて興味があって個人的に会いに行ったんですよ。1998年ぐらいだったと思います。

 直野さんは国内の大手IT企業でコンサルをやられて実績を上げたあと、米NASDAQ上場企業(当時)で特許戦略とビジネスモデルを明確にもって日本のビジネスを立ち上げていたんですね。ですから、お話が論理的かつで納得しやすかった。欠点といえば、個性が強い方だなと感じたことくらいですかね(笑)。

直野氏:リプレックスとの絡みでお話しすると、米国時代は残念ながら金を集めることが前提のビジネスモデルとなってしまっていたため、米国でお金集めをしようかどうしようか迷っていたんです。でも、米国のVCと日本のVCとでは動かせる資金も哲学にも大きな差がありますよね。

 その時、ある人物から「日本のVCだって根性がない奴ばかりじゃない。ぜひ、谷本さんに会ってみて欲しい。谷本さんは他のVCとは違う」と言われたんです。では、ということで。

勝屋氏:それはいつの話ですか。

直野氏:2006年の年末に増資をする少し前ですから、2006年10月あたりだったと思います。

勝屋氏:最初にお会いしたときの印象はどうでしたか。

直野氏:根性があると聞いておりましたから、根性があると思いました(笑)。

 優れた選球眼を持って、最終的には成功するが、当初はリスクを負って大規模な投資をするのが本来のVCの姿です。このことを我々は「穴を掘る」という表現をしています。正直、わたしは日本に「穴を掘る」ことができるVCはいないと思っていました。

 だから最初に谷本さんにお会いしたとき、「日本のVCは穴を掘るのが嫌いなんでしょう?」と聞いたら、谷本さんは「穴を掘るのが嫌いなんじゃなくて、穴を掘る人がいないから困っているんだ」と返された。その通りだと思ったんですよ。

 また、谷本さんは「資金需要があるところに資金を供給しないでどうする」というようなことを言うんですが、晴れの日に傘を差し出すのではなく、雨の日にこそ傘を供給することこそが使命、みたいな意味かな、と。あたりまえといえばあたりまえですが、これを徹底できている投資家っていうのは、私の日米含めてなかなかいないというのが現実です。

勝屋氏:なるほど、ではかなりの大金だったと思うのですが。

直野氏:ファーストラウンドで4億円でしたので、ソフトウェア開発としてはかなりの大金です。ただ、ビジネスモデル的には資金需要が高いです。確かに、日本ではかなり大きいという印象でしょうね。

リプレックスCEO
直野 典彦(なおの・のりひこ)

 修士(物理)取得後、日本の大手SIerを歴て、スタートアップだった頃の米国Rambus Inc.に入社。Nasdaq上場の後、米国本社副社長に。経営陣の一員として、ITバブルとその崩壊、エンロン、SOX施行などをくぐり抜けつつ、収益の面で会社を支え続けた。同社退社後、半年ほどの間米国の中堅VCである、Worldview Technology PartnersにEIR(Entrepreneur in Residence)として身を寄せ、現在のリプレックス設立の基本構想を練る。2006年3月にリプレックス株式会社設立、現在に至る。九州の半導体企業である株式会社NSCore顧問。

趣味:水泳

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