Baron氏は、アカウント売却計画で激しい反発を招いたことから、TwitterアカウントのeBay出品の話につきあってきた多くの人々に、単に体面を保つためだけにオークションを中止したのではないかと思われるのではないかと心配していると筆者に対して語った。
そしてさらに、むしろ自分のアカウントや多くのフォロワーが、必ずしもすべての関係者の利益になるようにアカウントを利用しようと考えているとは限らない人間の手に渡ることが心配なのだと筆者に向かって強く主張した。
中にはその根拠でさえも単に体面を保つための方便なのだと言う人もいるかもしれないし、確かにその通りなのかもしれない。結局、オークションの入札者が本当にスパムマーケッターだったのかどうか、事実を知ることはできないのだ。そして、Baron氏の心の内で実際には何が起こっているのかについても知るすべはなさそうだ。
それでもBaron氏は、eBayから連絡があったときには自分のTwitterアカウントについてすでに全く別の計画を考えていたと語った。
残念ながら(少なくとも筆者には)、その計画が何であるかをBaron氏は語ろうとはしない。
「最初にオークションに出品したとき、ある人からTwitterでメッセージをもらった」とBaron氏は言う。「その人は別のアイデアを持っていて、わたしはそれがいたく気に入ってしまった。(中略)オークションを継続して何らかの最終結果を得るための方法はいくつかあったし、それでもより良い結果を得られたかもしれないが、オークションを削除した方が(さらに)その計画がうまくいくだろうと思った」(Baron氏)
筆者にとってこれは残念なことだ。筆者は(そして多くの人々もそうだったと思うが)今回のケースのような理屈抜きの直感的な方法で示されるIDの価値がどの程度のものなのかを見てみたいと興味津々だった。結局これは市場経済であり、Andrew Baron氏のTwitterのアイデンティティに1500ドルを喜んで払う人がいるなら、われわれはそのようなものに実際にはどの程度の価値があるのかについて実感が持てるようになってくるだろう。
そして再びこの疑問に戻ることになるが、スパム業者が出す1500ドルのお金は、Web 2.0の世界で実際にアクティブに活動している人の払う1500ドルと同じ価値だろうか。おそらく違うだろう。
Baron氏にとっては、今回のオークションはオンラインとオフラインの両方で、知的財産法から、友人とは何か、「Facebook」の友人とTwitterの友人と現実世界の友人との違い、そしてテクノロジ、マーケティング、広告といった視点に至るまで、幅広く興味深い分野で議論を生み出した。
今回の件では「このことがもっとも興奮と興味をかき立てられる」部分だったとBaron氏は語った。「そして、もしわたしが(自分の新しい)計画が何であるかを言ってしまっていたら、こうした有益な議論は生まれなかっただろう」(Baron氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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