NECの携帯電話はどのようにしてデザインされているのか

 携帯電話の登場初期から、端末を作り続けてきたNEC。同社の携帯電話のデザインは、どのように作られているのだろうか。東京ビッグサイトで開催された、製品デザインに関するイベント「COLOR SESSION 2008」において、4月11日、NEC モバイルターミナル事業部 クリエイティブスタジオ チーフクリエイティブディレクターの佐藤敏明氏が「時代のエモーションを伝えるNECケータイ」と題して講演した。

NEC モバイルターミナル事業部 クリエイティブスタジオ チーフクリエイティブディレクターの佐藤敏明氏 NEC モバイルターミナル事業部 クリエイティブスタジオ チーフクリエイティブディレクターの佐藤敏明氏

 佐藤氏はまず、「デザイン(Design)」という言葉を、「みんなが信じる『Sign=記号』を『De=否定』の発想で革新するコミュニケーション」と定義。「個人の“嗜好”」「人々の“思考”」「社会の“志向”」の3つを観察し、有機的に答えを導くための“試行”をし、“至高”を目指すとした。

 その中心となるのが、佐藤氏が所属するクリエイティブスタジオだ。商品企画やデザイン開発、プロモーションに至るまでの全般に関わることで、包括的なブランディングに取り組んでいる。最近では、NECの企業サイトの開発など、商品だけでなく会社全体のブランドデザインもしているとのことだ。

 製品コンセプトについては、開発中に映像を作ることで、製品の色やターゲットなどのイメージをデザイナーや開発チームの間で共有するという。開発途中で作るため完成品とは違うこともあるが、共通認識を持つことで、コンセプトがずれることなく製品化の作業ができる点が大きなポイントだとした。

 映像は、目標となる大きさや機能などの仕様と、どのようなユーザーに向けて販売するかというターゲットをまず踏まえる。その上で、ターゲットユーザーがどのような生活をしているのかを調査して映像を作成するという。この映像により、ターゲットがどのような製品を欲しているのかを、全員で共有し、商品設計を行っていくわけだ。

 2008年以降のテーマは「Synchronicity」(同調)。心に思い浮かぶことが現実とリンクするような製品を考えているとのこと。単に一方通行の考えではなく、ユーザーが持つ、日々変わる感覚に対応していくという。たとえば「鏡面」と「透明」、「金属」と「浸食」のように、相対するものが複雑に絡み合いながら共存するというイメージだ。携帯電話を通じて、時代のエモーション(気分)を伝えていきたいと佐藤氏は意気込みを語っていた。

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