経済産業省の外郭団体である機械産業記念事業財団(TEPIA)は4月4日、次世代ロボットの導入がもたらす社会経済効果の試算をまとめ、公表した。
同財団がまとめたレポートでは、次世代ロボットの導入により期待される効果を、3つの分野に分けて試算。高齢者の自立生活支援をもたらす社会保障分野、現役世代の労働参加促進をもたらす労働力分野、担い手不足の問題に直面している産業の人員補助と代替促進をもたらす産業分野のそれぞれについて経済効果を算出した。
社会保障分野では、現在、研究開発が進められている各種の健康支援関連ロボットに関するリサーチをもとに、「生活習慣病の回避(主に急性期疾病の回避)」、「介護予防」、「要介護状態の重度化回避」の3つの視点から次世代ロボットの役割を探索。それらをもとにして試算した結果、2025年に2兆1200億円の抑制効果があるとした。
労働力分野においては、次世代ロボットが家庭において家事や介護などの負担を軽減することにより創出される、ゆとり時間と労働力を試算。その結果、2025年には25歳〜64歳までの世代においても1日当たり平均74分のゆとり時間が創出され、15歳以上の女性の労働力率は、現状維持のまま推移した場合よりも2.2%高い水準を達成することが可能だと結論づけている。
産業分野の経済効果については、次世代ロボットが担うことができる業務(労働)の種類と量を労働力に換算。さらに、将来の労働力推計結果と照合することにより、次世代ロボットによる労働力補完・代替効果が試算された。その結果、2025年には、次世代ロボットにより352万5000人相当の労働力補完、代替が可能だと試算した。
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