2008年1月31日発表の矢野経済研究所の調査によれば、2007年度のアフィリエイトサービスの市場規模は697億9000万円(前年度比135.0%)に達し、成長率こそ徐々に鈍化しているものの、2010年度には1325億円規模に達するとされている。また、アフィリエイトに対する一般の認知度も年々高まっており、『インターネット白書2007』によれば、回答者の73.4%が、アフィリエイトプログラムを知っていると答えている。
そんな伸長著しい日本のアフィリエイトサービス市場を、その黎明期から牽引してきたのが、バリューコマースだ。同社は1996年にトランズパシフィック有限会社として創立し、当初はドメイン取得サービスやレンタルサーバーサービスを提供してきた。
99年11月、現商号に変更すると同時に日本初のアフィリエイトサービスを開始し、現在はアフィリエイトサービスの収入が売上の90%を占めるという。ブログなどを合計したパートナーサイト数は約56万に達し、ASP(成果報酬型の広告配信サービスプロバイダ)としては国内最大級のネットワークだ。人事部の間宮恒彦氏は次のように説明する。
「毎月、約1万5000件のパートナーサイトの登録申請があります。また、約1700社ある広告主の中には、約400社の、いわゆる大手企業も含まれます。ASPサービスに関する当社の売上にはパートナーサイトの報酬を含めていないので、それを加えれば広告取扱高もトップだと考えています」
同社は2005年4月にヤフーと資本提携して持分法適用会社となり、2006年7月には東京証券取引所マザーズに上場。さらに2005年10月には検索エンジン最適化サービスを提供するソゾンを連結子会社化(2008年3月に完全子会社化)、2007年11月にはメディアパートナーサイトを運営するジェーピーツーワンに出資し、持分法適用会社とするなど、アフィリエイトサービスとの相乗効果のある企業との提携に取り組んでいる。
同社単体の社員数は約160名。その約6割を占める営業部門は、ヤフーとの提携ビジネスを専門とする部署や、パートナーサイトを担当する部署など、5つに大別される。その中で、もっとも積極的に採用を進めているのが、同社の売上の半分近くを占めるコンサルティングサービスに従事し、社名通りの高価値なサービスを提供するコンサルタントと、新規メディアを開拓・獲得し、アフィリエイトサービスの“財産”であるネットワークを拡充していくメディアプランナーだ。これらの職種には、マーケティング経験のある中途採用者だけでなく、新卒採用者も配置するそうだ。
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