インターネットブラウザの歴史を振り返ると、先に登場したのは「Netscape」だったが、Microsoftは、Netscapeを超える出来ではないにせよほぼ同じことを行える「Internet Explorer」(IE)を作った。同社は、総力を結集し初期のNetscapeの挑戦を打ち砕いてデスクトップ市場を独占する際に、法律を犯すことになったが、それもIEの普及には影響を及ぼさなかった。
だが、IEの独り勝ちの理由を独占禁止法違反だけで説明すると、歴史を不正確に書き換えることになる。実際には、MicrosoftがIEのバージョン3を送り出すまでに、このブラウザは、Netscapeより優れてはいなかったにせよ同程度によくなっていたと言える。この2つのブラウザがその後どのように戦いを終えたかは、誰もが知っている。
今では、大半のPCユーザーがIEを使っているが、その理由は、そうするのが最も面倒が少ないからだ。だが、私は長い間「Firefox」を愛用しているし、同じようにFirefoxを使っている人の数は今や1億6000万人ほどになる。これは、Microsoftのレーダーにひっかかるには十分な数だ。愉快なのは、Microsoftに比べて小規模な150人ほどの組織が、多勢の開発者を抱えるMicrosoftより洗練されたウェブブラウザを生み出していることだ(たとえば、IEはまだ次世代のJavaScriptをサポートしていない)。
偶然にも、米国時間3月31日は、Mozillaのソースコードが公開されてからちょうど10年目にあたる。私は、それに先立つ3月26日に、Mozillaの今後の計画を詳しく聞く機会を得た。Mozilla Corporationの最高経営責任者(CEO)を務めるJohn Lilly氏が、カリフォルニア州マウンテンビューにある同社本部にブロガーの一団を招待し、Mozillaの技術開発について語ったのだ(この集まりに同席した「Webware」のRafe Needlemanが、「生中継」のブログで、次期Firefoxのリリースに関する話を報告している)。
みんなが同調してくれることを期待しているが、ネットサーフィンに関する私の最大の心配事は、今でもセキュリティだ。そして、この点でMozillaの関係者たちは非常に興味深い仕事をしている。とりわけ、次の2点に注目してほしい。
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