「(端末事業を)専業の部門に分離することは、(Motorolaにとって)サプライチェーンや技術革新の問題の一部を修正するための一助になる」とDaley氏は電子メールで指摘した。「端末事業は、同社の成長部門である企業向けモビリティ、コネクテッドホーム、ネットワーク事業などとは根本的に別のビジネスなのだ」(Daley氏)
また端末事業を分離することによって、こうした他の事業も独自に成長する余地がさらに得られるとDaley氏は指摘する。
しかし、Motorolaの他の事業が分割から恩恵を得られる可能性があるのは明白だとしても、端末部門にとっては実際にどのような違いが出てくるのかはいまだに不透明だ。Motorolaの問題点は、消費者が買いたくなるような製品を作っていないことだ。
明るい材料としては、別会社になると機敏さが増す可能性がある点だ。それこそ、より優れた設計のアイデア、原価構造の改善、事業遂行の改善などとともにMotorolaが本当に必要としていることだ。Motorolaはかっこいい新しい携帯電話の開発という点で、いまだに他のメーカーと比べて設計サイクルが少なくとも1段階か2段階は遅れているように見える。ライバルのNokiaが2月にバルセロナで開催された「GSMA Mobile World Congress」で数機種の端末とサービスを発表してナビゲーションなどの新しい機能を強調していたのに対し、Motorolaはバルセロナのカンファレンスでは一部を改変した端末を数機種出しただけで興味をそそるような製品は何も出品しておらず、「Consumer Electronics Show」での発表を繰り返しただけだった。
Brown氏は、端末事業を回復させるには新製品が鍵を握ることは認めたが、事業の回復を指揮する新しい優秀な人材を引きつけるために部門を分ける必要があるのだと述べた。Brown氏は現在、新会社を率いる新しいCEOを探している。
「われわれは、事業の回復は製品によって主導されるものになると理解している。そして現在、その回復を確固たるものにするべく対策を講じている段階だ。しかし、わたしは(この発表によって)世界クラスのCEOを人選できる機会が訪れると思っている」(Brown氏)
それではMotorolaのブランドはどうなるのか。多くの専門家が指摘するように、ブランドがなければMotorolaの端末事業は全く意味をなさず、単なる全盛期を過ぎた製品や他社をまねした製品の寄せ集めにすぎなくなる。Brown氏はブランドの重要性を認識しており、会社は次に取るべき対策を模索しながら注意深く進んでいると述べた。
「Motorolaブランドは強力であり、信頼されており、実証済みである。Motorolaブランドはビジネスの他の部門の資産と同様に携帯機器にとって貴重である。われわれは今後数カ月でブランド戦略を練り上げていく予定だ」(Brown氏)
しかし、ForresterのDaley氏は、端末事業に今後もMotorolaブランドを冠していくことは、同社にとって唯一の実行可能な選択肢であると考えている。
「善きにつけあしきにつけ、Motorolaは携帯機器のブランドだ。ブロードバンドとモビリティソリューション部門は成長を続け、消費者向け機器部門とは別のブランド/価値を持つようになるだろう」(Daley氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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