IntelとMicrosoftは米国時間3月18日、プロセッサの変遷に伴い発生する問題への対応を援助するため、多くの科学者たちが参加する大学機関の研究を共同で支援していく意向を表明した。
両社は、カリフォルニア大学バークレー校とイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のパラレルコンピューティング研究センターに対し総額2000万ドルを出資する計画。
PC用プロセッサの速度は長年にわたり上昇を続け、ソフトウェアは容易に性能向上の恩恵を享受することができた。しかし近年、チップ速度は頭打ちの状態となっており、Intelをはじめ企業らは複数のプロセッシングコアを1つのチップに搭載することに取り組んでいる。
コアの数が多ければその分性能は向上するが、複数のコアの能力を十分活用するには、タスクを分割して並列処理を実行できるようソフトウェアを記述し直す必要がある。大きな技術的課題だ。
IntelフェローのShekhar Borkar氏は2007年5月に開かれた集会で報道陣に対し、「ソフトウェアもムーアの法則に従わなくてはならないということだ」と述べた。
ここしばらく、IntelとMicrosoftはこの問題に取り組んでいる。
Microsoftは1月、Barcelona Supercomputing Centerと協力してスペインに共同研究施設を設立することを明らかにした。
Microsoftの最高研究戦略責任者(CRSO)であるCraig Mundie氏は2007年5月、CNET News.comの取材に対し、PCにおけるシングルプロセッサから複数のプロセッシングエンジンへの移行について、「1つの出来事としては、おそらくここ20〜30年の間で最も大きな混乱を引き起こすものだ」と語った。
Microsoftの外部調査部門バイスプレジデントであるTony Hey氏は18日に電話会議で、チップアーキテクチャの変遷は、ソフトウェアの記述方法に「大きな影響」をもたらすだろうという考えを繰り返し述べた。
同氏は、「われわれは、ソフトウェア産業における革命の真っ只中にいる」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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