似ているようで大きく異なる2つの世界--モバイルサイトとPCサイトの違いを知る - (page 2)

村上勇一郎(ドコモ・ドットコム)2008年03月19日 08時00分

アクセス方法に工夫を凝らす一般サイト

 一方、モバイルインターネット上には、公式メニューに掲載されていないホームページが数多く存在する。その数は数十万と言われているが、これらのホームページやサイトは携帯電話会社とコンテンツ配信契約を交わしているわけではないので、端末からワンボタンで接続できる公式サイトとは違い、携帯電話に標準装備されているインターネット接続機能を使って閲覧するようになる。 こうしたインターネット上で自由に公開されているホームページは前述の公式メニューや公式サイトに対し、「一般サイト」や「勝手サイト」と呼ばれている。

 一般サイトは企業や個人などが携帯電話向けに自由に公開しているサイトで、その内容はさまざまである。PCインターネット同様、ユーザー自身がその信頼性を判断したうえで利用する必要があり、役立つサイトも沢山あるが、なかには、出会い系や悪徳商法のような好ましくないサイトも多数存在する。

 また、携帯電話会社が提供する公式メニューには登録されないため、アクセスを行いやすくするために、特定のアドレスに対して空の電子メールを送らせて、URLを携帯電話メールに返信する方式や、URLを変換したQRコードを携帯電話端末で読み取らせる方式が多く行われている。また、2006年から公式メニューへ検索エンジンが導入されたことに伴い、キーワードを入力して検索すれば、今までは存在を知られていなかったサイトにも比較的容易にアクセスすることが可能となった。

 以下に「一般サイト」へのアクセス方法を列記する。

  • インターネットアクセス機能をつかってURLを直(じか)打ちする。
  • 空メールを飛ばしてレスポンスがあったメール本文に記載されているURLをクリックする。
  • 携帯電話に内蔵されているカメラを使い、QRコード(2次元バーコード)を読み取らせてURLを表示させる。
  • 非接触ICカード(FeliCaチップ)を使ってURLを表示させる。
  • 赤外線通信を行い、端末から端末へURLを転送する。

 一般サイトの利用については、自己責任で判断することになるが、携帯電話は子どもや中高生も利用しているため、好ましくないサイトに接続してしまうリスクがある。そこで、子どもたちが好ましくないサイトを利用しないように、サイト接続を制限するための「フィルタリングサービス」を各社とも提供している。NTTドコモは「キッズiモードフィルタ」「iモードフィルタ」、auが「EZ安心アクセスサービス」、ソフトバンクモバイルが「ウェブ利用制限」「Yahoo!きっず」という名称だ。アクセスを制限する基準やサービス内容は携帯電話会社によって少しずつ異なるが、一般サイトの閲覧をすべて制限し、各社の公式メニューの一部のみを利用できるようにするといった設定も可能である。

 このほか、携帯電話の機能では、PCインターネットでは一般的なCookieや、端末およびネットワーク容量の関係からJavaScript、Flash、PDFなどは機能を限定している。 また、逆に携帯電話でないとできない機能があることにも注意が必要である。「契約者個人を特定するユーザーIDや端末ID」、「位置情報を取得するGPS」、「写真を撮影したり、メールに添付することが可能なカメラ」、「タッチ&ゴーのソリューションや、各種電子決済可能を実現するFeliCaチップ」の搭載などがそれにあたる。

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