PCに比べた場合の携帯電話の大きな特徴の1つは、端末によってその仕様が大きく異なることだ。キャリアによってブラウザやアプリが異なるのはもちろんのこと、同じキャリアでも機種によって表示できるデータ量や画像の大きさ、種類などが違う。それぞれに応じたサイトを作る必要があることを考えると、モバイルサービス運営者にとって、対象とする携帯電話端末をどこまで広げるかというのは大きな問題になる。
その判断をするときに大きな助けとなるのが、携帯電話機種のシェアだ。そこでこの連載では毎月1回、どういった端末がどの程度利用されているのかを、モバイルインターネットアクセス実勢データをもとに紹介していく。
データはビートレンドの携帯電話向けASPサービス群「BeMss」を利用している約800社のモバイルサイトのアクセス実績を利用する。BeMssを利用している企業の業種は金融から小売まで多岐にわたるため、より実勢に近いデータが出せる。
今回は、2月1日から29日までのアクセス実績を分析した。
まずは各キャリアのアクセスシェアを見ていこう。
総アクセス数が堅調な増加を続けている。2月はほかの月より日数が少ないが、1日当たりの平均総アクセス数はこれまでよりも多い。企業の携帯電話向け販促活動が活発になってきていること、また、12月、1月の商戦時期の結果が反映されていることがうかがえる。そのような状況のなか、今月もSoftBankがシェアを伸ばしている。前月の9.1%から今月は9.4%へと大きく増えた。2007年8月の8.5%から、半年で1ポイント近くシェアを拡大している。シェア1割を越えるのはどのタイミングだろうか。進学、就職シーズンを迎えるこの春商戦の結果に注目していきたい。
次にキャリア別に端末ごとの結果を見てみよう。アクセス数の多い端末を上位5つずつ調べてみたところ、次のような結果がでた。
auの上位ランキングが入れ替わった。3キャリアともこの半年間はランキング上位に同じ端末が挙がっていたのだが、端末毎のシェアの大きな変化は、特定の端末への集中が少ないauに最初に現れたようだ。
DoCoMoでは2008年冬モデルのP905i(2007年11月発売、パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)がランキング3位に初登場した。最初に登場したのは、上位に2機種ランクインしているシャープ端末シリーズではなかった。冬モデルの中で、斬新なWオープンスタイルのP905iが人気となっていることがうかがえる。
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