Officeを作っているMicrosoftの次なる目標は、オフィスのコントロールのようだ。
IBMに続き、Microsoftも急成長を続ける省エネ市場において主要企業となるための取り組みを開始した。開発者を募集し、ビル制御システムや交通管理システム向けのソフトウェア、さらには水質管理区で使われてきたようなソフトウェアの開発を視野に入れている。
この戦略を後押ししているのは、商機と需要だ。気候変動が叫ばれ電力料金が上昇している今、企業も個人も省エネ化を求めている。コスト上昇に加えて、現行のエネルギー効率もかなり低く、発電量のおよそ半分は生産的な目的には使われていないという調査結果がある。3人の米国大統領候補は全員、炭素税あるいはキャップアンドトレード方式を支持しており、そうした政策の採用は避けられないと思われる。
一方、ビル管理や水管理のシステムは最先端にあるというわけではなく、いまだに多くの企業が暖房や照明などの制御システムとしてプロプライエタリーな独自製品を販売している。だが、自動省電力システムを開発しているComvergeとEnerNocが2007年にクリーン技術企業として最大級の新規株式公開を実施している。また、IBMもライフライン企業と共に室温調節器と家電の遠隔制御を試験している。
Microsoftのチーフ環境ストラテジストRob Bernard氏は、「運輸部門は全般に非常に効率が悪く、ソフトウェアで改善できる余地が大きい」と電話インタビューで述べた。また、ビル管理について、ソフトウェア改善への需要の大きさを問うと、笑い声が返ってきた。同氏はかつてビジネス向け不動産を扱っていたのだ。
「ソフトウェアや技術によるエネルギー制御システムの効率化に大きな可能性があることは十二分にわかっている。地球全体で見ると温室効果ガスの37%ほどはビルに関わるものだろう。運輸、ビルとビル管理、森林伐採、送配電網、ガスや水道などのライフライン。こうした分野はいずれも規模が大きく、ソフトウェアによって大きく改善できる可能性があると見ている」
Microsoftは、他の市場同様、これまでのやり方を踏襲すると思われる。つまり、同社のプラットフォーム上で動くアプリケーションを他社の開発者に大きく依存することになるだろう。
「Microsoftは、一部アプリケーションを自ら開発し、問題の解決に向けて市場全体を急速に発展させることに取り組むだろう」(Bernard氏)
Microsoftは2007年12月、「Ingenuity Point」と呼ばれるプログラムを開始している。このプログラムでは、アプリケーション、または、アプリケーションのアイデアを開発者から募集する。そして、Microsoftは、四半期毎に最も優秀なアイデアに賞を与え、最も有望なものを市場でプロモートする。
例えば、受賞企業のOSIsoftの場合、ビジネスインテリジェンスアプリケーションを開発し、水が貯水池から蛇口に達するまでにどれだけ失われるかを記録できるようにした。また、同社は、オーストラリアでの淡水化事業にも関わり、長期にわたるひどい干ばつと現在取り組んでいる。別のフランス企業は、交通管理および監視アプリケーションを考案した。このアプリケーションにより、運送会社は、渋滞を避けることで燃料を節約できるようになるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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