「動画配信ビジネスは、いまだ発展途上段階」--ネット界の大物2人がSXSWiに登場 - (page 2)

文:Caroline McCarthy(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2008年03月12日 12時13分

 さらにEisner氏は、「現在、オンライン動画製作に携わっている人々は、次代のSteven Spielbergたちだ」と付け加えた。

 しかし、現在のオンラインビデオ業界は、常に流動的な陣取り合戦の様相を呈している。同業界では、まだルールが定まっておらず、企業の戦略が頻繁に変更されるため、配信に至るプロセスがさらに複雑化している、とEisner氏は指摘する。例えば、The All-for-NotsとProm Queenとでは、今後配信戦略が変わってくるという。コンテンツ配信を行うパートナー企業が、それらのコンテンツを同一条件で配信しなかったためだ。

 Eisner氏は、「毎月、MySpaceやMSN、YouTube、Googleを訪れるたびに、彼らは戦略を変更している」とした上で、「しかし、実際人々は(Prom Queenを視聴するために)われわれに料金を支払っている」と付け加えた。しかし、The All-for-Notsについて、一部のコンテンツ配信企業はVuguruに対し、Vuguruがそれらの企業に一旦料金を支払った上で、広告収入の分配を通じてVuguruがその料金分を取り戻す仕組みにするよう要求したという。

 よって、今回、配信の条件はパートナー企業ごとに異なる。そのパートナー企業の例としては、Bebo、Imeem、YouTube、Huluに加え、Eisner氏が取締役を務めているVeoh、さらにMark Cuban氏のHDNetなどが挙げられる。しかしEisner氏は、The All-for-Notsが多くの人々に配信される限り、企業で配信の条件が異なっても構わないという。「われわれはどんな方法でもとにかく(The All-for-Notsを)配信しなければならない。われわれは、頂上、底、脇、どんな状況に置かれても(配信を)開始する」これはまさに、新興企業のレトリックだ。

 Eisner氏は、オンライン動画用の中心的な配信チャネルがないことが、視聴者の獲得をさらに難しくしていると指摘する。同氏は、「VeohとHuluは開発プラットフォームであり、インターネット版TiVoになりつつある。われわれはいま、それを明確化しようとしている」とし、さらに「最終的に、われわれは家庭用テレビでインターネットを利用可能にしようと考えている。しかし現状では、気が遠くなるほど困難であることは分かっている」と語った。

 さらにEisner氏は、Appleの最高経営責任者(CEO)、Steve Jobs氏に対する短い賛辞を述べた。Eisner氏はかつてJobs氏に対し、かなり批判的だったことで知られる。「いずれ全世界で、技術を分かりやすく説明するSteve Jobses氏のような人物があと数人現れるだろう」(Eisner氏)

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