スピーカーユニットが真横を向いているユニークなデザインのせいか、本製品が作り出す音場はかなり独特。音の方向性が少ないため、多少スピーカーの前でうろうろしても、場所によって音がガラリと変わることはない。棚の上など高いところに置いて聴いても満足いく音質が得られる。音が左右逆になることを無視すれば、スピーカーの裏側に回ってもバランスのよい音を楽しむことができる。
さすがに真横を向けてしまうと音のバランスは崩れるが、設置場所やリスニングスタイルの自由度はかなり高いと言えるかもしれない。
音質に関しては、低音が少し弱い印象があるものの、中高域はクリアで聴き取りやすい。とくに、クラシックやジャズなどは小さな音まではっきり聴こえて、臨場感もかなりのもの。音量を絞ってもヴァイオリンなどの細く消え入りそうな音がしっかりと聴こえてくる。逆に、ロックやポップス系の音楽は人によって物足りないと思うこともあるかもしれない。いずれにしても、非常に独特な音場を作り出すスピーカーなので、機会があったら一度実際に聴いてみるといいだろう。
なお、「COMFORT」モードに関しては、同じビットレートでも楽曲によって効果の分かりやすいものと、あまり変わらないものがあった。個人的には通常モードの方が好みだが、聴きづらいと感じたら「COMFORT」モードを試してみるといいかもしれない。
iPod用のスピーカーとして見ると、若干、メニューなどを選ぶ際の操作性の悪さが気にはなるものの、このコンパクトな筐体でこれだけの音質を実現しているのは非常に魅力的。後は、音とデザインが好みに合うかどうかがポイントとなるだろう。タイムドメイン・スピーカーに興味を持っている人はもちろん、コンパクトで高音質なスピーカーを探している人にもぜひ注目してほしい製品だ。
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